統括管理者(とうかつかんりしゃ)

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統括管理者(とうかつかんりしゃ)とは?

統括管理者は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」に基づき、特定建築物の衛生管理を総合的に監督する責任者です。 建築物環境衛生管理技術者(ビル管)や各作業監督者(清掃・空気環境・貯水槽・防除など)を統括し、施設全体の衛生的環境を維持するために配置されます。 国家試験はなく、既に関連資格を持つ者が選任される形で任命されます。

統括管理者は、ビル管理の現場における最上位の衛生管理責任者であり、建物全体の衛生環境を維持するうえで中核的な役割を担います。清掃・空調・水質・防除といった各分野の専門作業監督者を束ね、法令遵守を徹底しつつ、利用者が安心して過ごせる環境を提供することが使命です。とくに大規模なオフィスビルや商業施設、病院、学校などでは、統括管理者の判断が衛生環境の質を大きく左右します。緊急時には対応の指揮も執り、現場作業員との調整を行いながらトラブルの早期解決を図ります。高いマネジメント力と幅広い知識が求められるポジションであり、関連資格を取得していることが前提となるため、キャリアアップのゴール地点としても位置づけられる重要な資格です。


統括管理者の試験概要

資格区分 その他 資格(講習修了資格)
根拠法令 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)に基づく講習。
特定建築物における環境衛生管理業務を安全に行うための知識を習得する目的。
所管機関 厚生労働省(登録講習機関が実施)
受講資格 特に制限なし。
ただし、ビル管理会社・設備管理会社・清掃会社などの実務者が受講するケースが多い。
受講内容 建築物環境衛生、空気環境測定、水質管理、清掃管理、安全衛生など。
最終日に修了考査あり。
試験方式 講習最終日に筆記の修了考査(択一式)
合格基準 講習内容を理解していれば合格可能(合格率は高い)
受験料 ※講習料として機関により異なる(例:15,000〜30,000円程度)
有効期限 更新なし(講習修了資格)

統括管理者Q&A

Q1. 統括管理者はどんな場面で必要?
建築物環境衛生管理技術者の管理下で、 特定建築物の清掃・空気環境測定・水質管理などの実務を統括する役割です。 現場の指揮を任されるポジションです。
Q2. 講習だけで取得できるの?
はい。厚生労働大臣登録の講習会を受け、 最後に行われる修了考査に合格すると取得できます。 国家資格ではなく講習修了資格に該当します。
Q3. 難易度はどれくらい?
修了考査は講習内容を理解していればクリアできるレベルで、 合格率は高めです。
Q4. 統括管理者と建築物環境衛生管理技術者は何が違う?
建築物環境衛生管理技術者(ビル管)は管理責任者であり、 統括管理者はその管理のもとで実務を統括(現場のまとめ役)を担います。 役割が階層的に違います。
Q5. 更新や有効期限はある?
講習修了資格なので更新制度はありません。 ただし、法令・基準が変わりやすい分野なので知識更新は推奨されます。

統括管理者が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

  • 特定建築物の管理事業所における衛生管理責任者

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 厚生労働省「建築物衛生法」関連資料
  • 特定建築物における統括管理者配置要件

難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※国家試験はないが、広い知識と責任が求められる役職です。

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