特定第一種圧力容器取扱作業主任者(とくていだいいっしゅあつりょくようきとりあつかいさぎょうしゅにんしゃ)

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特定第一種圧力容器取扱作業主任者(とくていだいいっしゅあつりょくようきとりあつかいさぎょうしゅにんしゃ)とは?

特定第一種圧力容器取扱作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、高圧ガスや蒸気を扱う特定第一種圧力容器の作業現場において、安全管理を行う責任者に必要な資格です。 特定第一種圧力容器とは、ボイラーや化学プラント、石油精製設備などで用いられる高圧力下の容器を指し、もし事故が起これば爆発や有害物質の漏出など甚大な被害につながる可能性があります。そのため、作業現場には必ず作業主任者を選任することが義務付けられています。

主任者は、圧力容器の点検や操作条件の確認、圧力計や安全弁の適切な管理、作業員への安全指導、異常時の緊急対応などを担います。また、容器の運転状況を記録し、法令で定められた定期検査やメンテナンスを計画的に実施する役割も求められます。これにより、設備の稼働効率を維持しながら事故を防止する重要な役割を果たしています。

特定第一種圧力容器取扱作業主任者の試験概要

根拠法令 労働安全衛生法に基づく国家資格。
高温・高圧の危険を伴う「特定第一種圧力容器」を扱う際に、 事故防止と設備の安全管理を行うため選任が義務付けられています。
所管官庁 厚生労働省(試験実施:安全衛生技術試験協会)。
受験資格 年齢・学歴・実務経験による制限なし。
誰でも受験できます。
試験内容 ・圧力容器の構造(胴、鏡板、溶接構造 など)
・気体と蒸気の性質(圧力、温度、飽和蒸気、ガス膨張)
・安全弁・逃がし装置の作動原理
・耐圧試験、気密試験、保守点検方法
・ボイラーや熱交換器との関連知識
・災害事例とその原因分析
・労働安全衛生法令(特定機械等、設備管理規定)
計算問題(圧力・温度・熱力学の基礎)も出題されます。
試験形式 学科試験のみ(マークシート式)。
実技試験はありません。
特徴 化学プラント・食品工場・エネルギー設備など、 圧力容器を扱う業界では選任義務がある重要資格。
危険性が高いため、主任者の責任範囲が広く、 安全管理スキルの証明にもなります。

特定第一種圧力容器取扱作業主任者Q&A

Q1. 「特定第一種圧力容器」とは何ですか?

労働安全衛生法で特に危険性が高いとされる圧力容器のことです。
蒸気・高圧ガス・高温流体を扱い、破損時の爆発リスクが大きいため、 専門的な管理が求められます。

Q2. どんな現場で必要になる?

・化学プラント
・食品加工工場(蒸気・高圧設備)
・発電所、エネルギー関連施設
・石油・ガス設備
圧力容器を扱う現場では主任者の選任が義務です。

Q3. 試験の難易度はどれくらい?

合格率は40〜50%程度。
圧力・温度・蒸気の基礎が理解できれば独学でも十分合格できます。

Q4. ボイラー技士と何が違う?

・ボイラー技士=ボイラー本体の運転・管理の資格
・圧力容器主任者=圧力容器・付帯設備の安全管理資格
管理対象が異なります。両方持っていると現場では強いです。

Q5. 資格を取るメリットは?

・プラント・製造業で評価が高い
・主任者選任で資格手当がつくことが多い
・安全管理スキルの証明になる
・転職でも即戦力扱いされやすい
現場系では有用性が高い国家資格のひとつです。

特定第一種圧力容器取扱作業主任者が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 厚生労働省「労働安全衛生法」関連資料
  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会

難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※学科試験のみだが、工学的知識が幅広く必要。

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