特定化学物質等作業主任者(とくていかがくぶっしつとうさぎょうしゅにんしゃ)

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特定化学物質等作業主任者(とくていかがくぶっしつとうさぎょうしゅにんしゃ)とは?

特定化学物質等作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、有害な化学物質や特定化学物質を取り扱う職場において、安全管理を担う責任者に必要な資格です。 化学物質の中には発がん性・毒性・生殖毒性などの健康リスクを持つものがあり、吸入や皮膚接触による被ばくを防ぐため、主任者を選任して職場の安全を確保することが法律で定められています。

主任者の主な業務は、作業環境の換気や排気装置の点検、防護具の使用状況の確認、作業手順の作成、健康障害防止措置の実施、安全教育の実施などです。 特定化学物質にはアスベスト、クロム酸塩、ベリリウム化合物、ホルムアルデヒドなどが含まれ、製造・実験・メッキ加工・塗装など、さまざまな現場で主任者の知識と判断が求められます。 また、厚生労働省の通達により、対象物質の種類は定期的に更新されており、最新情報に対応できる知識の維持が重要です。

この資格を取得することで、化学製品工場、金属加工業、研究所などで安全責任者として活躍できるほか、企業の安全衛生管理担当や品質保証部門へのキャリアにもつながります。実務的で、化学・製造・環境衛生の知識を総合的に活かせる国家資格です。

特定化学物質等作業主任者の試験概要

根拠法令 労働安全衛生法および特定化学物質障害予防規則に基づく 国家資格(技能講習修了)です。
発がん性物質・有機溶剤・金属化合物など、健康障害のリスクが高い 特定化学物質を扱う作業では、作業主任者の選任が義務付けられています。
所管官庁 厚生労働省(講習は都道府県労働局登録の教育機関が実施)。
受講資格 特別な実務経験は不要で誰でも受講可能。
化学物質を扱う職場(製造、塗装、分析、廃棄物処理など)では 必須級の資格です。
試験内容 ・特定化学物質(第1類〜第3類)の性質と危険性
・発がん性、有害性、皮膚吸収性、有機溶剤の影響
・吸入防止・皮膚付着防止などの作業管理
・局所排気装置・換気設備の基準と点検方法
・保護具の種類(防毒マスク・手袋・防護衣など)
・漏えい、こぼれ、暴露事故時の対応
・SDS(安全データシート)の読み方
・安衛法・特化則などの関連法令
試験形式 学科講習+修了試験(マークシート中心)。
受講時間は2日間(約13時間)が標準です。
特徴 製造業・研究所・塗装・メッキ・廃棄物処理など 化学物質の取り扱いがある現場ではほぼ必須の資格です。
作業環境測定士や危険物取扱者との相性が良い資格として知られています。

特定化学物質等作業主任者 Q&A

Q. どんな化学物質が対象なの?
発がん性・毒性が強い化学物質が中心で、ベンゼン、ホルムアルデヒド、 クロム酸塩、ニッケル化合物など健康障害リスクが高い物質が対象です。
Q. 修了試験は難しい?
講習内容を理解していれば合格できる難易度で、基本的には ほぼ全員受かるレベルです。
Q. 文系でも取れる?
化学の専門知識は不要。講習で出る範囲を押さえれば問題ありません。
Q. 必要な職場は?
化学工場、塗装・メッキ工場、研究所、廃棄物処理施設など 化学物質を扱う現場では必須級です。
Q. 一緒に持っておくと良い資格は?
有機溶剤作業主任者、危険物取扱者、作業環境測定士など 化学系業務の安全管理と相性が良い資格です。

特定化学物質等作業主任者が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 厚生労働省「特定化学物質障害予防規則」関連資料
  • 中央労働災害防止協会(講習情報)

難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※講習形式のため取得しやすいが、実務での責任は重い資格。

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