有機溶剤作業主任者(ゆうきようざいさぎょうしゅにんしゃ)とは?
有機溶剤作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、塗装・印刷・洗浄・接着などの作業で有機溶剤を使用する現場において、安全を統括する責任者に必要な資格です。 有機溶剤とは、トルエン・キシレン・アセトンなどの揮発性の高い化学物質で、吸い込むと中枢神経や肝臓に悪影響を与えることがあります。 そのため、有機溶剤を扱う作業では主任者の選任が義務付けられています。
主任者は、作業環境の換気・防爆設備の点検、作業員への防毒マスクなどの保護具着用指導、溶剤の保管方法や希釈・混合時の安全確認、健康診断の実施管理などを行います。 特に密閉された室内や塗装ブース内などでは、溶剤蒸気が高濃度になりやすく、火災・爆発の危険もあるため、主任者は法令に基づいた厳密な管理を行う必要があります。
この資格は、塗装業、製造業、印刷業、化学工場、建設業など多くの業界で活用されており、現場で働く人にとって非常に実用的です。 安全衛生に関する知識を体系的に学べるため、労働災害防止のスキルアップとしても評価されています。
- 資格の種類: 国家資格
- 分野カテゴリ: 科学・研究
- 対象者: 有機溶剤を扱う製造・塗装・印刷・清掃などの現場で働く人
受験概要
所管 | 厚生労働省(講習実施:中央労働災害防止協会など) |
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受験資格 | 学歴・年齢不問。誰でも受講可能。 |
試験内容 | 学科講習(有機溶剤の性質・毒性・換気・防火・関係法令など)+ 修了考査 |
合格率 | 約90%前後(修了考査形式) 出典:中央労働災害防止協会(令和5年度) |
有機溶剤作業主任者を取るために必要なこと
- 講習受講: 厚生労働省が認定する教育機関で2〜3日間の講習を受講する。
- 修了考査: 講習後の筆記試験に合格することで資格取得。
- 主任者選任: 現場で主任者として選任され、溶剤管理や安全指導を行う。
有機溶剤作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「有機溶剤中毒予防規則」関連資料
- 中央労働災害防止協会(講習情報)
難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※講習修了で取得できるが、現場での安全知識が重要視される。