ものづくり・工場の仕事
ガス溶接技能講習修了者(がすようせつぎのうこうしゅうしゅうりょうしゃ)とは?
ガス溶接技能講習修了者は、労働安全衛生法に基づく「法定講習修了資格」で、酸素アセチレン溶接などのガス溶接作業を行うために必ず必要な資格です。 アセチレンやプロパンガスなどの可燃性ガスと酸素を用いて金属を溶かし、接合・切断・加熱などを行う作業は、火災や爆発の危険を伴うため、国家が定める安全講習を修了しなければ実務に就くことができません。
この資格は、鉄骨工事・造船・自動車整備・機械製造・建築金物加工など、幅広い現場で必須とされます。 また、電気溶接やTIG溶接などの高度な溶接技術を学ぶ前段階としても重視されており、技能職としてのスタートラインとも言えます。
講習は学科と実技で構成され、ガスの性質・安全管理・火災防止・圧力調整器の取り扱い・点火と消火の手順などを学びます。 修了後は「ガス溶接技能講習修了証」が交付され、全国どこの現場でも使用可能です。 特別教育とは異なり、法令上の“技能講習”として認められているため、信頼度が高い資格です。
ガス溶接技能講習修了者の試験概要
| 根拠法令 |
労働安全衛生法に基づく「技能講習修了資格」です。 アセチレンガスなど可燃性ガスと酸素を用いる溶接・溶断作業を行う場合は、 この講習修了が義務付けられています。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 厚生労働省(講習は労働局登録教習機関が実施)。 |
| 受講資格 | 原則18歳以上。実務経験は不要で誰でも受講できます。 |
| 講習内容 |
・可燃性ガス(アセチレンなど)と酸素の性質 ・混合ガスの危険性、逆火・逆流防止の仕組み ・レギュレーター・圧力調整器の扱い方 ・ガス溶接機器の基礎(吹管、ホース、調整器) ・点火・火炎調整・消火手順 ・ガス容器の取り扱い基準(転倒防止、保管方法) ・安全衛生(爆発・火災・酸欠対策) ・実技:点火、火炎調整、溶接・溶断の基本操作 |
| 試験形式 |
学科講習+実技講習+修了試験(筆記中心)。 基本的な知識が理解できていれば合格できます。 |
| 特徴 |
金属加工・機械整備・建設・製造の現場で広く必要とされる入門資格です。 アーク溶接などを扱うには別途講習が必要になります。 |
ガス溶接技能講習修了者 Q&A
- Q. ガス溶接技能講習を受けると何ができる?
-
アセチレンなど可燃性ガスを使った「ガス溶接・溶断」が可能になります。
金属の切断・補修・加熱など、多くの現場で利用される基礎技術です。 - Q. 危険性は高い?安全管理は?
-
ガスの性質上リスクはありますが、正しい手順を守れば安全です。
特に「逆火・逆流防止器」や「ガス容器の固定」は必須ポイントです。 - Q. 試験は難しい?
-
難易度は高くありません。講習内容を理解すればほぼ合格できます。
可燃性ガスの性質や安全操作の理解が重要です。 - Q. 実技ではどんなことをする?
-
・点火の手順
・火炎調整(中性炎・還元炎など)
・金属板の加熱・溶断
・ガス設備の点検手順
現場で必須の基本動作を練習します。 - Q. 他にも必要な資格はある?
-
アーク溶接を行う場合は「アーク溶接特別教育」が別途必要です。
幅広く溶接を扱うなら両方取得しておくと評価が高くなります。
ガス溶接技能講習修了者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「労働安全衛生法施行令」関連資料
- 登録教習機関(中央労働災害防止協会・都道府県労働局)
難易度: ⭐️ (難易度1)
※講習修了で取得可能。初心者でも受講しやすく、ものづくり系の登竜門。


