技能士(ぎのうし)

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技能士(ぎのうし)とは?

技能士は、職業能力開発促進法に基づく国家資格で、特定の職種における「技能の熟練度」を国が認定する制度です。 通称「国家技能検定」と呼ばれ、130職種・300以上の作業区分が設けられています。 溶接、建築、電気、機械加工、調理、美容、ファッション、ITなど、あらゆる分野に技能検定が存在し、“現場のプロ”を証明する資格です。

等級は1級・2級・3級(および特級)に分かれており、3級は入門者、2級は中堅技能者、1級は熟練技能者、特級は管理監督者クラスを示します。 国家資格の中でも現場実務に最も直結しており、技術職・製造職・職人系など、実務経験を評価される業種では必須といえるほどの存在です。

技能検定の結果合格者には「〇〇技能士」の名称が付与され、たとえば「電気工事技能士」「造園技能士」「調理技能士」「建築板金技能士」など、職種に応じた正式称号を名乗ることができます。 企業の昇格・手当・求人条件にも大きく関係し、“資格より実力”の世界で唯一、国が技能を保証する制度です。

  • 資格の種類: 国家資格
  • 所管: 厚生労働省
  • 実施機関: 各都道府県職業能力開発協会・中央職業能力開発協会(JAVADA)
  • 職種数: 130職種(令和6年現在)

技能士を取るために必要なこと

受験資格受験する等級ごとに異なる実務経験が必要:
・3級:おおむね1年以上の実務経験
・2級:おおむね2年以上の実務経験
・1級:おおむね7年以上の実務経験(または2級合格後2年以上)
・特級:1級合格後、5年以上の管理・監督経験
試験内容・学科試験(安全衛生、施工法、関連法規など)
・実技試験(作業・製作・加工などの実演)
実務能力を測るため、実技の比重が非常に大きいのが特徴です。
合格率30〜60%前後(職種・等級により変動)。 出典:中央職業能力開発協会「技能検定データブック 令和5年度」
受験手数料職種・等級により5,000〜20,000円程度

技能検定の主な職種ジャンルと、関連する職業

技能検定(技能士)は分野が非常に広く、建設・金属加工・電気電子・食品・被服繊維・木材家具・印刷美術・IT/サービスまで130職種以上にまたがります。下の表は主なジャンル例と、その技能が必要/有利になる関連職業の導線です。

職種区分主な技能検定職種(一例)関連・必要な職業
建設関係造園/建築板金/とび/鉄筋施工/左官/タイル張り/配管/型枠施工/広告美術仕上げ などとび職人左官職人建設作業員造園工
金属加工関係機械加工/溶接/金属熱処理/仕上げ/ダイカスト/金属プレス加工/鍛造 など製造作業員機械工鉄工
電気・電子関係電子機器組立/電気機器組立/プリント配線板製造/光学機器製造/テクニカルイラストレーション など 電気工事士
食品関係製パン/製菓/酒造/水産練製品製造/ハム・ソーセージ・ベーコン製造 などパン職人パティシエ
被服・繊維関係和裁/洋裁/着付け/寝具製作/染色 など 服飾縫製スタッフ着付け師
木材・家具関係家具製作/建具製作/竹工芸/木工塗装 など大工家具職人
印刷・美術関係製版/印刷/広告美術/写真/フラワー装飾 などグラフィックデザイナーフォトグラファーフラワーコーディネーター
IT・サービス関係ウェブデザイン/情報配線施工/ハウスクリーニング/ピアノ調律/キャリア・コンサルティング などWebデザイナーハウスクリーニングスタッフピアノ調律師キャリアコンサルタント

出典:厚生労働省「技能検定職種一覧表」を基に編集(令和版)。

公式情報/出典

  • 厚生労働省「技能検定制度の概要」
  • 中央職業能力開発協会(JAVADA)「技能検定情報サイト」

難易度: ⭐️⭐️⭐️〜⭐️⭐️⭐️⭐️(難易度3〜4)
※職種・等級により難易度が変動。1級・特級は非常に難関。

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