ものづくり・工場の仕事
飼料製造管理者(しりょうせいぞうかんりしゃ)とは?
飼料製造管理者は、「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(飼料安全法)」に基づく国家資格に準ずる講習修了資格で、家畜やペットに与える飼料の製造現場において安全性と品質を管理する責任者です。飼料は動物の健康を支えるだけでなく、最終的には人間が食する畜産物の安全にも直結するため、極めて社会的責任の重い職務とされています。
この資格は、農林水産省の指導のもとで実施される講習を修了することで取得できます。飼料の原材料から製造工程、保管、出荷に至るまで、衛生・化学・微生物学的リスクを管理し、安全基準に適合させるための知識と技能を身につけます。特に動物用医薬品や添加物の扱い、異物混入防止、HACCP方式に基づく衛生管理など、近年は食品安全マネジメントと共通する高度な管理体制が求められています。
飼料製造管理者の設置は法律上義務づけられており、無資格者がこの業務を担当することはできません。資格者は製造現場における安全確保の中核を担う存在であり、企業によっては複数名の管理者を配置して品質保証体制を強化しています。
飼料製造管理者を取るために必要なこと
- 講習の受講:農林水産省の認定を受けた機関(日本飼料協会など)が実施する「飼料製造管理者講習会」を受講します。
- 講習内容:飼料安全法の概要、製造工程管理、微生物汚染防止、異物検査、帳票管理、緊急対応などを学びます。
- 修了認定:講習を修了した者に「飼料製造管理者」としての認定証が交付されます。
試験はなく、受講と修了認定で取得可能です。講習期間はおおむね2〜3日、費用は2〜5万円程度です。資格の更新制度はありませんが、最新の法改正や衛生基準に対応するため、数年ごとの再受講が推奨されています。
飼料製造管理者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号)
- 実施機関:日本飼料協会/農林水産省畜産局
- 出典:農林水産省「飼料製造管理者講習会概要」/日本飼料協会資料(令和6年度)