自然・動物と関わる仕事
普及指導員(ふきゅうしどういん)とは?
普及指導員は、「農業改良助長法」に基づく国家資格で、農業者に対して技術指導や経営相談を行う専門職です。一般には「農業改良普及員」とも呼ばれ、農業の生産性向上と地域農業の発展を目的に、各都道府県の農業改良普及センターなどに配置されています。
普及指導員の主な仕事は、農業者の現場に出向き、作物栽培技術・経営改善・環境保全・スマート農業など多分野にわたるアドバイスを行うことです。また、病害虫の発生状況や土壌データの分析、農業経営に関する情報提供など、科学的知見に基づく支援を通じて、地域の持続可能な農業を支える重要な役割を果たします。
戦後から続く普及指導制度は、長い歴史の中で進化を続けており、現在では若手農家の育成や地域ブランドづくり、6次産業化の支援など、地域農業の総合的なコーディネーターとしての役割も強まっています。
普及指導員の試験概要
| 根拠法令 |
農業改良助長法(昭和29年法律第195号)に基づく国家資格。 農業経営や技術の向上を目的に、農家への指導・助言を行う専門職として認定される。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
農林水産省。 都道府県が実施主体となり、農業改良普及センターなどで活動する普及指導員を任命・登録する。 |
| 受験資格 |
・大学や専門学校で農学・畜産・園芸・林業・経営などを学んだ者、または一定の実務経験を有する者。 ・都道府県が実施する試験に合格後、農業改良普及員として任命される。 ・公務員試験(地方公務員上級・技術職)を経て採用されるケースが多い。 |
| 試験内容 |
・農業経営・生産技術・経済・経営管理 ・農業経営診断・指導計画の立案 ・地域振興・環境保全・農村社会学 ・面接および実務適性評価 ※筆記試験(記述式)+口述試験で構成される。 |
| 資格の特徴 |
農家や地域農業の課題を解決し、持続的な農業経営を支援する専門家。 国家資格に基づき、地方自治体職員(技術系公務員)として現場に密着した指導を行う。 「地域の農業ドクター」とも呼ばれる。 |
普及指導員 Q&A
Q. 普及指導員とはどんな資格?
農業者に対して、経営改善・技術指導・地域振興の支援を行う国家資格です。行政機関に所属し、農業の専門知識を活かして地域を支えます。
Q. どうすれば普及指導員になれる?
地方公務員試験(技術職)に合格し、都道府県職員として採用された後、研修や実務を経て資格認定を受けます。
Q. どんな職場で働くの?
農業改良普及センターや県庁の農政部門など。地域の農家や団体と連携し、現場での指導や経営相談を行います。
Q. どんな知識が必要?
農学・経済・環境・マーケティングなど幅広い分野の知識。地域農業の課題解決力やコミュニケーション力も重視されます。
Q. 資格を取るメリットは?
公務員として安定した立場で地域農業の発展に貢献できる。農業経営の専門家として高い信頼を得られる資格です。
普及指導員が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 農業従事者(農業改良普及センター勤務)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:農業改良助長法(昭和23年法律第198号)
- 試験実施機関:一般社団法人 全国普及指導協会連合会
- 所管:農林水産省
- 出典:農林水産省「普及指導員試験実施要領」/全国普及指導協会連合会資料(令和6年度)


