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林業架線作業主任者(りんぎょうかせんさぎょうしゅにんしゃ)とは?
林業架線作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、森林現場で行われる架線集材作業の安全を管理・指導する責任者です。架線集材とは、伐採した木材をワイヤーロープ(架線)を用いて搬出する作業のことで、傾斜地や山間部など重機が入りにくい現場で広く活用されています。
林業架線作業主任者は、この作業における機械操作・索道設置・荷重管理・作業者の安全確保を統括します。特に、ワイヤー張力や勾配角度の計算、安全装置の確認など、事故防止のための知識と判断力が求められます。現場の中心的リーダーとして、作業計画の立案や作業者への安全教育も担当します。
労働安全衛生法では、架線集材作業を行う現場ごとに「作業主任者」を選任することが義務づけられており、この資格を持たない者が主任者となることはできません。林業従事者の中でも、特に技術と経験の両面で信頼される人材に与えられる資格です。
林業架線作業主任者の試験概要
| 根拠法令 |
労働安全衛生法および林業における安全衛生規則に基づく国家資格。 架線集材装置(スカイライン方式など)を使用する作業現場で、安全を確保するために選任される主任技術者資格。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
厚生労働省。 試験・講習は都道府県労働局または安全衛生技術センターが実施する。 |
| 受験資格 |
・18歳以上で、一定の実務経験を有する者(おおむね2年以上)。 ・林業や架線集材作業に従事している人、または今後主任者として従事予定の者。 ・学歴による制限はないが、現場経験が重視される。 |
| 試験・講習内容 |
・架線集材装置の構造と操作 ・索張り・荷掛けの安全管理 ・機械・ワイヤーロープの点検・保守 ・作業中の通信・信号方法 ・労働安全衛生法および関係法令 ※筆記試験形式で、合格後に主任者として選任可能。 |
| 資格の特徴 |
山間部での伐採材運搬に用いられる架線集材システムの専門管理資格。 現場の安全と効率を守る責任者として重要な役割を担う。 林業事業体では、主任者の設置が法的に義務づけられている。 |
林業架線作業主任者 Q&A
Q. 林業架線作業主任者とはどんな資格?
架線集材装置を用いる伐採現場で、安全管理と作業指揮を行う国家資格。労働安全衛生法に基づき、主任者の選任が義務づけられています。
Q. どんな現場で必要?
山林の伐採現場や集材作業場など、架線による木材搬出を行う作業。高所や急斜面での作業も多く、安全面の責任が大きい資格です。
Q. 受験資格は難しい?
実務経験があれば誰でも受験可能。学歴は問われず、林業現場での経験があれば比較的取得しやすい資格です。
Q. 試験の難易度は?
実務知識に基づく内容が中心で、経験者にとっては難しくありません。安全管理や装置の構造理解が合格のポイントです。
Q. 資格を取るメリットは?
主任者として法的に配置できるため、林業現場でのキャリアアップにつながる。安全管理責任者として高い評価を得られます。
林業架線作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 林業作業員(架線集材作業現場)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)/労働安全衛生規則
- 試験実施機関:中央労働災害防止協会(中災防)/都道府県労働局
- 所管:厚生労働省
- 出典:中央労働災害防止協会「作業主任者試験一覧」/厚生労働省「作業主任者制度概要」(令和6年度)


