環境とエネルギーの仕事
エネルギー管理士(えねるぎーかんりし)とは?
エネルギー管理士は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」に基づく国家資格で、事業所や工場などにおけるエネルギー使用の最適化と省エネ対策を統括する専門技術者です。年間エネルギー使用量が一定基準を超える「指定工場」では、法令でエネルギー管理士の選任が義務づけられています。
主な業務は、電気・燃料などのエネルギー使用量の分析、設備効率の改善、CO₂排出削減策の立案、省エネ計画の策定など。技術とマネジメントの両面から「企業のエネルギーコスト削減」と「環境保全」を両立させることが使命です。
この資格は、工場・オフィスビル・公共施設などの管理部門における省エネの責任者として評価が高く、近年は「カーボンニュートラル推進人材」としても注目されています。
エネルギー管理士の試験概要
| 根拠法令 |
エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づく国家資格。 工場やビルなどで使用する電気・熱エネルギーを効率的に管理するための専門知識を有する技術者を認定する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
経済産業省(資源エネルギー庁)。 試験実施は一般社団法人日本エネルギー管理センター(JEC)が担当している。 |
| 試験区分 |
・電気分野 ・熱分野 ※どちらか一方の分野で受験・取得可能。 両方合格すると「総合エネルギー管理士」として認定される。 |
| 試験内容 |
・エネルギー総合理論(法令・管理・環境) ・エネルギー利用設備および管理技術 ・電気または熱に関する理論・実務 ・省エネルギーに関する計測と改善提案 試験は筆記中心で、実務に直結する内容が多い。 |
| 資格の特徴 |
省エネ・環境分野における上位資格として高い信頼性を持つ。 工場・ビルなどでの「エネルギー管理指定事業所」には有資格者の選任が義務づけられており、 エネルギー効率化や環境経営の推進に欠かせない人材として需要が高い。 |
エネルギー管理士 Q&A
Q. エネルギー管理士とはどんな資格?
省エネルギーの専門家として、工場やビルのエネルギー使用量を監視・分析し、効率化を図る国家資格です。エネルギーコスト削減や環境対策に貢献します。
Q. どんな職場で必要?
製造業、発電所、ビル管理会社、地方自治体、エンジニアリング企業など。一定以上のエネルギーを使用する事業所では必ず有資格者を選任する義務があります。
Q. 試験の難易度は?
合格率はおおむね20〜30%程度。数学・物理・工学の知識が必要で、理系の国家資格の中でも中〜上級レベルです。
Q. 資格を取るとどんなメリットがある?
省エネ責任者や技術管理職への昇進が期待でき、企業のエネルギーコスト削減に貢献できるスキルを証明できます。環境経営・脱炭素分野でも注目されています。
Q. 実務経験は必要?
受験自体は誰でも可能ですが、免状交付には一定の実務経験が必要です。実務を経て登録することで正式な「エネルギー管理士」となります。
エネルギー管理士が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- ビルメンテナンススタッフ(電気・設備管理を担当する場合)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和54年法律第49号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般財団法人 省エネルギーセンター(ECCJ)
- 出典:経済産業省「エネルギー管理士制度概要」/省エネルギーセンター「令和6年度試験案内」


