環境とエネルギーの仕事
電気主任技術者(でんきしゅにんぎじゅつしゃ)とは?
電気主任技術者は、「電気事業法」に基づく国家資格で、事業用電気工作物の保安監督を行う技術者です。高圧・特別高圧の電気設備を設計・維持・管理するため、発電所・変電所・工場・ビルなどの電気設備に必ず選任が義務づけられています。
企業や公共施設などでは、受変電設備の点検や漏電防止、停電時対応、電力使用の最適化など、施設全体の電気安全を担う責任者です。電力の安定供給と安全確保の両立が求められるため、現場経験と高度な理論知識を兼ね備えたプロフェッショナル資格とされています。
また、電気主任技術者は第1種〜第3種に区分され、扱える電圧範囲が異なります。第1種は大規模発電所や送電網レベル、第2種は中規模プラントや大規模ビル、第3種は一般的な工場・商業施設などを担当します。
電気主任技術者の試験概要
| 根拠法令 |
電気事業法(昭和39年法律第170号)に基づく国家資格。 発電所・変電所・工場などの電気設備の保安・管理を行う技術者を認定する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
経済産業省(産業保安グループ 電力安全課)。 試験実施は一般財団法人 電気技術者試験センターが担当。 |
| 区分 |
・第一種:全ての電気工作物(発電所・送電・配電・工場)を管理できる ・第二種:電圧17万ボルト未満の設備を管理できる ・第三種:一般事業所・工場など、受電電圧5万ボルト未満の設備を管理できる |
| 試験内容 |
・電気理論(電磁気・回路・制御) ・電力・機械・法規などの総合知識 ・電気設備の構造・運転・保守に関する実務 試験は学科試験(筆記)で、年度により科目合格制度あり。 |
| 資格の特徴 |
国家資格の中でも非常に難易度が高い技術資格。 有資格者は「保安監督者」として電気設備の安全管理を担当できる。 特に第三種は「工場の電気主任」としての需要が高く、就職・転職で高く評価される。 |
電気主任技術者 Q&A
Q. 電気主任技術者とはどんな資格?
発電・送電・配電などの電気設備を安全に運用・管理するための専門家を認定する国家資格です。電気設備の保安責任者として事業所に必ず選任が必要です。
Q. どんな職場で必要?
工場、オフィスビル、病院、商業施設、電力会社など、電気を大量に使用する全ての施設。特に「第三種」は企業の保守担当者に多く求められます。
Q. 試験の難易度は?
第三種でも合格率は10%前後と難関。数学・物理・電気理論の理解が必要で、理系国家資格の中でも上位レベルに位置づけられます。
Q. 実務経験は必要?
試験合格後、一定の実務経験(または講習修了)で免状が交付されます。上位種(第一・第二種)はさらに高い経験・知識が要求されます。
Q. 資格を持つとどんなメリットがある?
電気保安管理の責任者として高待遇の求人が多く、独立開業も可能です。特に第三種以上は「一生ものの資格」として重宝されます。
電気主任技術者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- ビルメンテナンススタッフ(電気・設備管理を担当する場合)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:電気事業法(昭和39年法律第170号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般財団法人 電気技術者試験センター
- 出典:経済産業省「電気主任技術者制度概要」/電気技術者試験センター「令和6年度試験案内」


