ガス主任技術者（がすしゅにんぎじゅつしゃ）

環境とエネルギーの仕事

ガス主任技術者（がすしゅにんぎじゅつしゃ）とは？

ガス主任技術者は、「ガス事業法」に基づく国家資格で、ガス事業者の施設（製造所・導管・供給設備など）の安全管理を行う専門技術者です。ガス供給の安定と安全を確保するため、ガス会社や自治体などの事業所では必ず有資格者を選任することが義務づけられています。

ガスは爆発性・可燃性を持つため、製造・供給のすべての過程で高度な安全管理が必要です。ガス主任技術者は、配管圧力の監視、供給設備の点検、緊急時の対応マニュアル策定、法定検査の実施など、現場の保安を統括する責任者として機能します。

資格は「甲種」「乙種」「丙種」の3種類があり、扱えるガス事業の範囲が異なります。甲種は都市ガスなどの製造・供給全般を管理でき、乙種は中規模ガス事業に対応、丙種は比較的小規模な供給施設の管理に限定されます。

根拠法令	ガス事業法（昭和29年法律第51号）に基づく国家資格。都市ガスなどの製造・供給設備を安全に運転・維持管理するための専門知識と技術を有する技術者を認定する資格制度。
所管官庁	経済産業省（産業保安グループガス安全室）。試験は一般財団法人日本ガス協会が実施を担当。
区分	・甲種：全てのガス製造所および供給設備の保安監督が可能・乙種：特定のガス製造設備・供給設備の保安監督が可能・丙種：限定された小規模ガス製造所などでの保安監督が可能
試験内容	・ガスの化学的性質と燃焼理論・製造設備・供給設備の構造と運転・計装・制御・安全装置・ガス事業法などの関係法規理論・法規・保安管理などの筆記試験で構成される。
資格の特徴	ガス事業者における保安責任者として必須の資格。都市ガス・LPガス関連会社、プラントエンジニアリング業界での需要が高く、エネルギー安全・インフラ保全の観点から社会的信頼性も非常に高い。