環境とエネルギーの仕事
ダム水路主任技術者(だむすいろしゅにんぎじゅつしゃ)とは?
ダム水路主任技術者は、「電気事業法」に基づく国家資格で、水力発電設備のうちダムや水路に関する保安監督を行う技術者です。発電所におけるダムの取水・放水設備や導水路、調整池などの構造物を安全に維持管理するため、法令で有資格者の選任が義務づけられています。
主な職務は、ダムや水路の構造点検、漏水や土砂詰まりの監視、異常時の放流操作、気象・水位データの分析などです。特に大雨や地震時などの緊急対応においては、発電の安定と下流地域の安全を両立させる重要な役割を担います。
電気主任技術者やボイラー・タービン主任技術者と同様に、「発電設備の安全を守る法定資格」として位置づけられており、水力発電所の現場運営に欠かせない国家資格です。
ダム水路主任技術者を取るために必要なこと
- 受験資格:学歴や実務経験による制限があり、理工系の専門知識を有する者が対象。特に水理・土木・機械・電気の実務経験が求められます。
- 試験内容:「水力発電の理論と構造」「保安管理」「電気事業法」「ダム工学」などの筆記試験を実施。
- 合格率:例年10〜20%前後と難関で、発電分野の専門技術者資格の中でも上位レベルに位置します。
- 登録:合格後、経済産業大臣への申請を経て「主任技術者」として選任可能になります。
水力発電所ではダム水路主任技術者を必ず配置する必要があり、発電所職員や設備管理担当者が取得を目指すケースが多く見られます。
ダム水路主任技術者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 発電所職員(水力発電設備の管理担当)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:電気事業法(昭和39年法律第170号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般財団法人 電気技術者試験センター
- 出典:経済産業省「主任技術者制度概要」/電気技術者試験センター「令和6年度試験案内」


