通訳案内士(つうやくあんないし)とは?
通訳案内士とは、訪日外国人旅行者に対して外国語で観光地を案内したり、文化・歴史・生活習慣などを説明するための国家資格です。法律上の正式名称は「全国通訳案内士」で、通訳を伴う観光ガイド業務を有償で行う場合、この資格を持つことが原則必要です(通訳案内士法に基づく業務独占資格)。
外国語能力だけでなく、日本の地理・歴史・産業・観光行政・文化一般など幅広い知識が問われるため、「外国語の専門職」と「観光・文化の伝達者」の両方の要素を併せ持ちます。観光業界では通訳案内士を「訪日ツアーの顔」として位置づけており、外国人旅行者に日本を安全・正確に紹介する重要な役割を担います。
資格の種類は「全国通訳案内士」と、都道府県単位で登録される「地域通訳案内士」に分かれます。全国資格は観光庁(国土交通省)の管轄で、全国どこでも業務が可能。一方、地域資格は自治体が定める特定エリア内で案内が可能で、地域特化型のガイド育成に重点が置かれています。
近年はインバウンド需要の回復とともに、文化・食・アニメなどテーマ特化のツアーも増加。通訳案内士は外国人旅行者との橋渡し役として、言語スキルとホスピタリティの両立が求められる仕事です。
通訳案内士を取るために必要なこと・試験概要
| 根拠法令 | 通訳案内士法(旧:通訳案内業法) |
|---|---|
| 所管官庁 | 国土交通省(観光庁) |
| 受験資格 | 年齢・学歴不問。外国語能力試験(英・中・韓など)の受験免除要件あり。 |
| 試験内容 | 筆記試験:外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務 口述試験:外国語による質疑応答・観光案内の実演 |
| 試験方式 | 筆記+口述試験(年1回実施) |
| 合格率 | 約10〜15%(外国語・科目免除あり) |
| 資格取得までの流れ | 外国語・日本知識分野を学習 筆記・口述試験合格 観光庁登録後「全国通訳案内士証」が交付 3年ごとに研修・更新講習を受講 |
| 免許更新 | 3年ごとに観光庁指定の研修受講が必要 |
試験は実務寄りの内容で、観光ガイドとしての実践的能力を問われます。通訳技術だけでなく、文化理解や外国人との円滑なコミュニケーション力も重要です。英語だけでなく中国語・韓国語・フランス語など全10言語以上が対象となっています。
通訳案内士が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 観光庁 全国通訳案内士試験概要
- 日本政府観光局(JNTO) 通訳案内士制度

