船舶通信士(せんぱくつうしんし)

公務員・安全
公務員・安全を守る仕事

船舶通信士(せんぱくつうしんし)とは?

船舶通信士は、船舶における通信業務に従事するために必要な国家資格で、国際航海に従事する船舶には必置とされる重要な資格です。 電波法に基づき、無線通信を通じて船舶の安全運航を確保する専門家であり、遭難通信・航行情報・気象通報などを行います。 資格は「第一級」「第二級」「第三級」に区分され、それぞれ取り扱える通信範囲が異なります。

船舶通信士は、単に無線機器を操作するだけではなく、国際航海における安全確保の要となる重要な役割を担っています。遭難や事故発生時には迅速な救難通信を行い、乗組員や乗客の命を守る責任を負います。また、気象情報の受発信を通じて航行の安全を支えるなど、海上輸送の安定にも大きく貢献しています。グローバル化が進む現代において需要が高まる専門資格です。

船舶通信士の試験概要

実施団体 総務省(試験は公益財団法人 日本無線協会が実施)。
船舶と陸上局の間で安全かつ正確な通信を行うための国家資格であり、海上通信の要となる職務に従事できる。
受験資格 制限なし(年齢・学歴不問で誰でも受験可能)。
ただし、通信技術・電波法の基礎知識やモールス信号の理解が求められるため、専門学校や通信講座での学習が一般的。
試験日程 年1回(例年8〜9月頃に全国主要都市で実施)。
出願・会場情報は日本無線協会の公式サイトにて告知される。
試験方式 筆記試験+電気通信術(モールス信号を含む実技試験)。
筆記では法規・無線工学などを出題、通信術試験ではモールス符号の送受信・正確さ・速度が評価される。
試験科目 無線工学/法規(電波法・船舶安全法関連)/電気通信術(和文・欧文モールス符号)。
通信術では実際に符号を打ち、受信内容を正しく書き取る技能を確認する。
合格率 第一級:約15%前後/第二級:約25%前後/第三級:約35%前後(令和5年度実績)。
上級になるほど高度なモールス通信技術と通信法理解が求められる。
出典:日本無線協会「船舶通信士試験結果(令和5年度)」。
資格取得までの流れ 試験出願 → 筆記・通信術試験を受験 → 合格後、免許申請 → 総務省より船舶通信士免許が交付。
養成課程を修了した者は一部科目免除制度を利用可能。
活動範囲 商船・漁船・旅客船・海上保安庁・防衛関連などで、船舶無線通信や遭難通信、海上安全情報の送受信を担当。
国際航海船舶では特に重要な資格として位置づけられる。
免許更新 更新手続きなし(終身有効)。
ただし、通信設備・法改正・無線運用技術に関する定期研修の受講が推奨される。
留意点 船舶通信士は船舶の安全運航を支える国家資格であり、正確な通信技術と迅速な判断力が不可欠。
国際海事機関(IMO)の通信基準にも対応する知識を持つことが望ましい。

船舶通信士の勉強方法Q&A

Q1. モールス信号が初めてです。どのように慣れていくと良いですか?
最初はゆっくりした速度で、短い音の組み合わせに親しむところから始めると取り組みやすいです。
単音→短語→文章と段階を踏むと、少しずつ音のリズムがつかみやすくなります。
Q2. 法規は範囲が広い印象です。覚え方のコツはありますか?
まずは「何の安全を守るための規定か」という全体像を把握し、そのあとに頻出箇所を確認していく流れが取り組みやすいです。
過去問題を手がかりに、関連条文を少しずつ紐づけていく方法も落ち着いて進められます。
Q3. 勉強期間の目安はどれくらいを見ると安心ですか?
個人差はありますが、無線工学・法規・通信術を並行して学ぶため、数か月ほどの計画を立てておくと余裕が持てます。
週ごとに小さな到達点を用意すると進捗を調整しやすいです。
Q4. 実務経験がなくても合格は目指せますか?
はい、実務経験がなくても受験できます。
専門用語に慣れる時間を最初に確保し、図や例題を交えて確認していくと理解が進みやすいです。
Q5. 無線工学はどの程度の難しさでしょうか?
基本概念(回路・アンテナ・電波伝搬)を押さえておくと解きやすくなります。
計算一辺倒ではないため、過去問題とセットで確認していくと全体像がつかめます。
Q6. 学習の優先順位をつけたいとき、どの順番だと進めやすいですか?
まずは「用語と法規の大枠」を把握し、その後に無線工学の基礎、通信術のリズム練習という順で進めると、各分野のつながりが見えやすいです。
早い段階で過去問題に触れて試験の雰囲気を知っておくのも、計画を立てるうえで役立ちます。

船舶通信士が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 総務省「無線従事者制度概要」
  • 日本無線協会「船舶通信士試験案内(令和6年度)」
  • 日本無線協会「船舶通信士試験結果(令和5年度)」

難易度: ⭐️⭐️⭐️⭐️ (難易度4)
※難易度は合格率・学習時間・試験範囲・通信術試験をもとに当サイト独自に評価しています。

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