公務員試験とは?
公務員試験は、国家公務員や地方公務員として働くための採用試験であり、資格とは異なる制度です。 全国で年間数十万人が受験し、行政・税務・労働・司法・警察・消防・自衛官など多様な職種で採用が行われます。
主な特徴は以下の通りです。
- 試験に合格=採用ではない(合格後に面接・身体検査・人物試験)
- 学歴制限なしの区分が多い
- 年齢制限は職種ごとに異なる(18〜35歳が中心)
- 難易度は試験区分によって大きく異なる
また、行政系・公安系・技術系など幅広いため、自分がどの職種を目指すのか前提決めが最重要ポイントになります。
公務員試験の種類(5大区分)
1. 国家総合職(旧キャリア)
各省庁の政策立案に関わる国家公務員の最上位区分。大学院レベルの高度な専門試験で、筆記・人物試験ともに難易度は最難関。
高い論文力・面接力・専門知識が求められる。
2. 国家一般職(事務・技術)
中央省庁の事務官・技官として働くための試験。事務系は法律・経済が中心で、技術系は専門科目が追加される。
安定志向の受験者が最も多い区分。
3. 国家専門職(省庁固有の専門職)
国税専門官、財務専門官、労働基準監督官、入国審査官、刑務官など国家固有の専門職。
法律系・経済系の知識が重視される。
4. 地方公務員(県庁・市役所)
地方自治体で行政運営に関わる職。一般行政・福祉・技術職など幅広い。
自治体ごとに試験科目・倍率が異なるため対策は自治体別に必要。
5. 公安職(警察官・消防吏員・自衛官)
身体基準・体力試験・人物試験が重視される区分。
強いメンタル・判断力・住民対応力が求められる。
主要な公務員試験の概要
■ 国家総合職
中央省庁の政策立案に関わる職。法律・経済・政治の専門知識と高い思考力が求められる。難度は公務員試験でトップクラス。論文量も多い。
■ 国家一般職
最も受験者が多い区分。行政事務・技術部門で働き、国の行政運営を支える。試験は基礎能力+専門科目(法律・経済・理系)。
■ 国税専門官
税務署勤務が中心。税務調査・税法運用・分析業務に関わる。法律・財務会計・経済を扱い、国家一般職より難度高め。
■ 労働基準監督官
労働基準法をもとに企業の監督・是正を行う。法律(労働系)+理系科目(労働災害分野)が必要な珍しい試験区分。
■ 家庭裁判所調査官補
心理・臨床・教育学のバックグラウンドが有利。調査官として少年事件や家事事件の調査・報告書作成に関わる。
■ 刑務官
刑務所・拘置所で受刑者の処遇・指導を行う公安職。体力試験・人物試験が重視される。
■ 皇宮護衛官
皇室の身辺警護を担当する特別な公安職。身体基準と人物評価が非常に厳しい。
■ 県庁職員(地方上級)
政策立案〜地域行政まで幅広い業務を担当。県全体の運営に関わるため、行政職としての総合力が問われる。
■ 市役所職員
住民対応・窓口業務・地域事業の企画運営など、生活に最も近い行政を担う。人物試験重視の傾向。
■ 警察官
地域警察・交通・刑事部門など。体力試験・面接が重要。公務員試験の中では人物評価が非常に強い区分。
■ 消防士
消防・救急・救助を担う。体力と判断力が必須。採用倍率は地域差が大きい。
■ 自衛官(一般曹候補生・幹部候補生)
陸海空のいずれかに所属。体力と統率力が問われる。幹部候補生は大学卒が中心で難易度高め。
各試験で就ける主な職業
◆ 国家総合職
- 中央省庁職員(政策立案)
- 国家行政官
◆ 国家一般職
- 国家行政職(事務)
- 技術系公務員
◆ 国税専門官
- 国税調査官
- 税務署職員
◆ 労働基準監督官
- 労働行政官(監督署)
◆ 家庭裁判所調査官補
◆ 刑務官
◆ 皇宮護衛官
◆ 県庁(地方上級)
- 県庁職員(行政)
◆ 市役所
- 地方行政職(市町村)


