中型・大型自動車免許とは?
中型・大型自動車免許は、大量輸送・物流・公共交通を安全に支えるドライバーとして働くために必要な国家資格(第一種免許)です。 普通免許では運転できない、大型トラック・観光バス・路線バス・ミキサー車などを運転するための上位免許であり、 日本の物流や社会インフラの根幹を担う職種には欠かせない資格です。
免許区分は主に「中型免許」「準中型免許」「大型免許」の3種類。 車両総重量・最大積載量・乗車定員の違いに応じて取得できる車両が明確に分類されています。 とくに大型免許は運転技術・危険予測・車両感覚・車両重量の理解など高度な専門技能が求められ、 プロのドライバーとしての総合力が試される免許として位置づけられています。
中型・大型免許は、運送業界だけではなく、建設・製造・インフラ・観光など多くの業界で必須となる資格で、 「免許を取った瞬間に仕事がある」といわれるほど求人ニーズが高い点も特徴です。
一方で、大型車は車体が大きく、死角も多く、制動距離も長いため、国家資格の中でも安全性が最重視される分野です。 試験では学科よりも技能面に比重が置かれ、運転姿勢・後方確認・安全確認・発進手順・後退操作など細かい指導基準が設定されています。 社会的責任が極めて重くなる免許であるため、取得後も定期的な講習・点呼・健康管理がセットで求められます。
中型・大型免許を取るために必要なこと
| 受験資格 | 準中型免許:18歳以上 中型免許:20歳以上+普通免許等の保有2年以上 大型免許:21歳以上+中型免許等の保有3年以上 視力:両眼0.8以上/深視力検査あり |
|---|---|
| 試験内容 | ① 学科試験:交通法規・大型特有の危険性理解・積載法など ② 技能試験:方向変換、隘路通行、S字、鋭角、車庫入れ、坂道発進など ③ 適性検査:視力・深視力(大型では必須)・判断力 ※教習所卒業で技能試験免除(学科のみ受験) |
| 試験方式 | ・学科:マークシート方式 ・技能:運転免許センターまたは指定教習所内で実車試験 |
| 合格率 | 学科:70〜90% 技能(一発試験)10〜20%(大型は特に難関) |
| 取得までの流れ | 教習開始 → 技能教習 → 卒業検定 → 本試験(学科) → 免許交付 ※段階取得(普通 → 中型 → 大型)が一般的 |
| 費用の目安 | 準中型:25〜35万円/中型:15〜25万円(所持免許により変動)/大型:20〜40万円 |
| 注意点 | ・深視力が不合格だと免許取得不可 ・企業では大型免許+フォークリフトがセットで求められる場合あり ・長時間運転・夜勤など体力的負荷が大きい仕事も多い |
中型・大型免許のQ&A
Q. 最初から大型免許は取れる?
A. できません。
普通免許等の保有期間を経て受験資格を満たす必要があります。
Q. 大型免許はどのくらい難しい?
A. 技能試験の難易度は高く、車体感覚・後退操作・安全確認が非常に細かく採点されます。
Q. 深視力がダメだと取得できない?
A. はい。深視力は大型・中型の合否に直結します。矯正でも改善できないと免許取得は困難です。
Q. 仕事の求人は多い?
A. 非常に多いです。運送・建設・観光などほぼすべての地域で人手不足が続いています。
中型・大型免許が必要な職業 / あると有利な職業
◆ 必ず必要な職業
- 大型トラックドライバー
- 中型トラック配送スタッフ
- 路線バス運転手(大型二種と併用)
- 観光バスドライバー
◆ あると有利な職業
出典
- 警察庁「大型・中型免許制度」
- 各都道府県警察「運転免許試験案内」


