建てる・つくる仕事
土木施工管理技士(どぼくせこうかんりぎし)
土木施工管理技士は、道路・橋梁・ダム・トンネル・河川工事など、国や自治体、民間企業が行う土木工事の品質・工程・安全を管理する国家資格です。 現場の総合指揮役として、工事の安全性確保、法令遵守、工程調整、コスト管理など多岐にわたる専門業務を担います。
土木施工管理技士とは?
土木施工管理技士は、国が定める「建設業法」に基づく国家資格で、土木工事の現場を安全かつ計画的に運営するための高度な技術力を証明する資格です。 1級・2級の区分があり、1級は大規模工事で主任技術者・監理技術者として配置されるため、大手ゼネコンを中心に必須資格として扱われています。
業務内容は、施工計画の作成、作業手順の指示、品質の確保、近隣対策、現場労務管理、法令遵守の確認など多岐にわたり、「現場の司令塔」と呼ばれるほど重要な役割を持ちます。 特に公共工事では資格の有無が入札要件になることが多く、企業としても有資格者の存在は大きな価値となります。
土木施工分野は社会インフラを支える基盤であり、災害復旧・耐震補強・老朽化対策など、今後も需要が衰えない領域です。 そのため国家資格の中でもキャリアの安定性が非常に高い点が特徴です。
土木施工管理技士の試験概要
| 根拠法令 | 建設業法にもとづく国家資格。 土木工事の主任技術者・監理技術者として配置されるための必須資格。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 国土交通省 |
| 区分 | 1級土木施工管理技士 / 2級土木施工管理技士 |
| 受験資格 | 学歴・実務経験に応じて受験年限が決まる。 例:大学の指定学科卒で実務3年以上、その他は実務5年以上など。 |
| 試験内容 | 学科試験 ・土木施工管理法 ・法規 ・品質管理 ・安全管理 ・施工技術 実地試験(1級) ・施工経験記述 ・施工管理知識(品質・工程・安全・原価) |
| 試験方式 | 学科(択一式)+実地(記述式) |
| 合格率 | 学科:約30〜40% 実地:約10〜20%(難易度高め) ※令和5年度 国土交通省データ |
| 資格取得までの流れ | 受験資格確認 → 学科試験 → 実地試験 → 合格 → 技術検定合格証取得。 |
| 更新 | 資格の更新制度はなし(監理技術者講習のみ必要) |
| 留意点 | 実地試験は経験記述の出来が合否を左右するため、日々の工事経験を整理しておくことが非常に重要。 1級の合格はキャリア上のインパクトが大きく、年収アップにつながりやすい。 |
土木施工管理技士に関するQ&A
Q. 未経験から目指せますか?
A. 可能です。実務経験を積むことで受験資格を得られます。建設会社・土木会社に入社すれば受験ルートが開けます。
Q. 1級と2級の違いは?
A. 1級は大規模工事で主任技術者・監理技術者になれる点が大きな違いです。 特に公共工事では1級保持者が重宝されます。
Q. 女性でも活躍できますか?
A. 近年は女性技術者が急増しており、施工管理の働き方改革も進んでいるため活躍の場は広がっています。
土木施工管理技士が必要な職業・あると有利な職業
■ 必ず必要な職業
- 土木施工管理技士(1級・2級)
■ あると有利な職業
出典
- 国土交通省「技術検定試験(土木施工管理技士)令和5年度」
- 建設業法(昭和24年法律第100号)


