管工事施工管理技士(かんこうじせこうかんりぎし)

建てる・つくる
建てる・つくる仕事

管工事施工管理技士は、給排水設備・空調設備・衛生設備など、建物内外の「配管工事」に関わる施工全体を管理する国家資格です。 1級と2級があり、特に1級は大型商業施設、公共施設、病院、工場などの設備工事で主任技術者・監理技術者として配置される重要資格です。

管工事施工管理技士とは?

管工事施工管理技士は、建設業法にもとづく国家資格で、建物の給排水・衛生設備・空調設備を安全かつ計画的に施工するための管理技術者です。 水道管・ガス管・空調ダクトなど、建物の機能を支える重要な設備を扱うため、専門知識と経験が強く求められます。

工事に必要な材料の選定、作業手順の指示、現場の安全確保、職人への技術指導、工程調整、品質管理など、役割は多岐にわたり、現場全体の「司令塔」として動きます。 とくに給排水設備は建物の生命線であり、不具合や設計ミスが重大トラブルにつながるため、設備施工の責任者としての役割は極めて重要です。

また、建築工事や電気工事と密接に連携する必要があるため、総合的な建築知識・法規理解・現場マネジメント力が必要となり、建設業界の中でも専門性の高い技術職として評価されています。

管工事施工管理技士の試験概要

根拠法令建設業法に基づく国家資格。
設備工事の主任技術者・監理技術者として配置されるために必要。
所管官庁国土交通省
区分1級管工事施工管理技士 / 2級管工事施工管理技士
受験資格指定学科の大学卒で実務3年以上、短大で5年以上、その他実務7年以上など、学歴に応じて実務経験が必要。
試験内容学科試験
・施工管理法(工程・品質・原価・安全)
・設備機器・材料の基礎知識
・法規(建設業法、建築基準法、労働安全衛生法など)

実地試験(1級)
・施工経験記述
・施工管理知識(計画、安全、品質管理)
試験方式学科:択一式/ 実地:記述式
合格率学科:約40〜50% 実地:約15〜25%(難易度高め)
※令和5年度 国土交通省データ
資格取得までの流れ受験資格確認 → 学科試験 → 実地試験 → 合格 → 技術検定合格証取得。
更新資格自体に更新なし(監理技術者講習のみ必要)
留意点給排水・衛生設備は法規制が多く、図面読解力と法令知識が必須。 施工トラブル防止のため、経験記述の精度が実地試験の合否を左右する。

管工事施工管理技士に関するQ&A

Q. 設備工事の経験がなくても合格できますか?

A. 実務経験が必須なので、設備工事会社・建設会社で経験を積む必要があります。

Q. 1級と2級の違いは?

A. 1級は大型建築物の設備工事で主任技術者になれます。公共工事では1級が重宝されます。

Q. 設備施工管理と電気工事施工管理の違いは?

A. 空調・水回り・衛生設備を扱うのが管工事、電気設備を扱うのが電気工事です。

管工事施工管理技士が必要な職業・あると有利な職業

■ 必ず必要な職業

■ あると有利な職業

出典

  • 国土交通省「技術検定試験(管工事施工管理技士)令和5年度」
  • 建設業法(昭和24年法律第100号)
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