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造園技能士とは?
造園技能士は、公園・庭園・街路樹・外構空間などの「緑の環境」をつくり、守り、維持するための専門技術を証明する国家資格です。石積み、剪定、植栽、芝張り、施工図の読み取りなど、造園工事の実作業に直結する技能を評価する資格で、造園業界では職人としての実力を示す最も重要な指標となっています。
資格は1級・2級・3級に分かれ、1級は現場を統括する職長クラス、2級は熟練技能者、3級は初級職人の位置づけです。とくに1級造園技能士は、公共工事の入札条件や造園会社の技術力を証明する際にも重視され、キャリアアップ・昇給・独立開業に大きく関わる資格です。剪定の美しさや石組みの安定性、庭全体の構成力など、作業技術の精度が求められます。
造園の仕事は見た目の美しさだけでなく、植栽管理・病害虫対策・施工の耐久性・排水計画など、自然と建築の両方に配慮した技術が必要になります。造園技能士は、こうした高度な技能を公式に証明する資格として、建設業界・自治体・造園会社など幅広い分野で評価されています。
緑地管理の需要は都市部でも地方でも増え続けており、造園技能士を持つことで現場責任者としての信頼性が高まり、造園工事の品質確保にも大きく貢献します。庭づくりから公共工事まで、多様な現場で活躍できる実践的な国家資格です。
造園技能士の試験概要
| 根拠法令 | 職業能力開発促進法および技能検定制度に基づく国家資格。 造園施工・庭園管理に必要な技能を国が審査し、技能士として認定する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 厚生労働省(職業能力開発局) 実施機関:都道府県職業能力開発協会および中央職業能力開発協会(JAVADA) |
| 種類 | 1級造園技能士(上級技能者) 2級造園技能士(中級技能者) 3級造園技能士(初級技能者) |
| 受験資格 | 【1級】実務7年以上(2級合格者・訓練校修了者は短縮あり) 【2級】実務2年以上または造園科職業訓練修了者 【3級】年齢・学歴不問、誰でも受験可能 ※造園会社・建設業での実務経験があると有利。 |
| 試験内容 | 【学科試験】 ・造園施工(植栽、移植、石組み、竹垣、景観) ・測量・製図(施工図、勾配、寸法) ・材料(植物、石材、土壌、資材) ・維持管理(剪定、病害虫、芝生管理) 【実技試験】 ・植栽配置と施工 ・石組み(据付・安定構造) ・剪定(樹種理解・枝配り・形状) ・芝張り・地形調整 ・道具の使用方法、安全作業 ※1級になるほど精度・仕上げ・美観・施工計画の理解が求められる。 |
| 難易度 | 3級は初心者でも合格しやすいが、2級は実務的な技能が必須。 1級は造園業界でも難関で、施工品質・測量・計画力が総合的に問われる。 実技試験は時間制限が厳しく、事前訓練が不可欠。 |
| 資格取得までの流れ | (1)学科試験 → 実技試験 (2)すべて合格 → 技能士として登録 (3)造園工事・庭園管理の現場で職長・責任者として活動可能 (4)1級取得で公共工事の主任技術者要件を満たすケースあり |
| 更新 | 更新制度はなし。 ただし、造園施工管理技士や造園施工管理者制度と併せて継続学習が推奨される。 新しい植栽技術や景観基準の変化に対応するため、定期的な研修が一般的。 |
造園技能士に関するQ&A
Q1. 未経験でも受験できますか?
A. 3級なら誰でも受験できます。2級・1級は実務経験が必要です。
Q2. 造園施工管理技士と何が違う?
A. 造園技能士は「現場の作業技術」、施工管理技士は「現場管理」の資格です。
Q3. 独立に役立ちますか?
A. はい。1級造園技能士は造園会社の即戦力・独立の信用につながります。
造園技能士が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 造園工・造園職人(1級・2級・3級)
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省(技能検定制度)
- 中央職業能力開発協会(JAVADA)


