環境とエネルギーの仕事
廃棄物処理施設技術管理者とは?
廃棄物処理施設技術管理者は、廃棄物処理法に基づく「国家資格に基づく講習修了資格」で、焼却施設・最終処分場・破砕選別施設など、廃棄物処理施設の安全な運転と維持管理を専門に担当する技術責任者です。施設の設置者(自治体・事業者)は、この資格を持つ者を配置する義務があり、法律で定められた“必置資格”として扱われています。
業務範囲は、施設の運転管理、排ガス・排水の環境基準の確認、設備トラブル対応、安全管理、書類作成など多岐にわたります。とくに焼却炉や溶融炉などの高度な処理施設では、温度管理・燃焼制御・ダイオキシン対策など、専門知識と運転経験が不可欠です。
資格取得には、所定の講習(区分別)を受講し、修了考査(試験)に合格する必要があります。講習内容は法律、施設構造、運転技術、環境監視など幅広く、現場経験者でも学び直しが必要なレベルとなっています。廃棄物処理施設の安定運転は地域環境への影響が大きいため、「環境保全」「安全」「運転管理」の専門性を持つ技術者を育成するための資格です。
環境ビジネスの需要拡大や処理施設の老朽化に伴い、人材不足が深刻で、廃棄物処理施設技術管理者は自治体・民間処理業者・エンジ会社など多くの現場で求められています。将来性と安定性が高い技術系資格です。
廃棄物処理施設技術管理者の試験概要
| 根拠法令 | 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)。 廃棄物処理施設に技術管理者を配置することを義務付ける国家資格制度。 区分ごとに「国家資格に基づく講習修了資格」として扱われる。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 環境省。 講習実施:一般財団法人 日本環境衛生センター(委託実施機関)。 |
| 種類(区分) | ・焼却施設(ごみ焼却炉) ・最終処分場(管理型・安定型) ・破砕・選別施設 ・脱水・堆肥化施設 ほか ※施設の種類に応じて講習区分が分かれる。 |
| 受講資格 | ・施設の運転管理に従事している者 ・技術職として従事予定の者 ・自治体・廃棄物処理業者の職員など ※学歴・資格条件は特にないが、現場経験者が多い。 |
| 講習・試験内容 | 【学科(講習)】 ・廃棄物処理法と関連基準 ・施設構造(炉構造・受入設備・排ガス処理) ・運転管理(燃焼制御・温度管理・炉内監視) ・環境管理(ばいじん・ばい煙・浸出水) ・維持管理・点検整備 【修了考査(試験)】 ・講習内容の理解度を確認する筆記試験 ・正答率基準を満たせば合格 ※講習受講 → 修了考査合格 → 資格証交付 の流れ。 |
| 難易度 | 実務経験者なら学科は理解しやすいが、法律・環境基準・排ガス処理など専門内容が多い。 修了考査は講習内容を把握していれば合格可能だが、講習量は多く集中力が必要。 |
| 資格取得までの流れ | (1)講習受講申込 (2)区分ごとの講習受講(数日間) (3)修了考査 → 合格 (4)廃棄物処理施設技術管理者として登録 (5)施設の技術管理者として勤務可能 |
| 更新 | 更新制度なし(終身)。 ただし、法令改正や施設技術の変化に対応するため、継続的な研修が推奨される。 |
廃棄物処理施設技術管理者に関するQ&A
Q1. 誰でも受講できますか?
A. はい。受講資格は広く設定されていますが、実務者のほうが理解しやすい内容です。
Q2. 講習だけで取得できますか?
A. できます。ただし、修了考査(試験)に合格する必要があります。
Q3. どんな施設で必要ですか?
A. 焼却施設、最終処分場、破砕選別施設など、廃棄物処理施設のほぼすべてです。
廃棄物処理施設技術管理者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
- 自治体(環境・衛生部門)
- 環境コンサルタント
公式情報/出典
- 環境省 廃棄物処理法
- 日本環境衛生センター(講習実施機関)


