浄化槽検査員(じょうかそうけんさいん)

環境・エネルギー
環境とエネルギーの仕事

浄化槽検査員とは?

浄化槽検査員は、浄化槽法に基づく「国家資格に基づく講習修了資格」で、法定検査(7条・11条検査)を専門に行う技術者です。浄化槽の設置者は、年に1~2回の法定検査が義務付けられており、その検査を実施できるのが浄化槽検査員です。浄化槽が正しく設置され、適切に稼働しているかを科学的に評価し、水質基準の適合状況を判断する重要な役割を担います。

浄化槽は地域の生活排水を処理する“小さな下水処理場”であり、放流水の水質が基準を超えていると、河川や地下水の汚染につながります。浄化槽検査員は、BOD・SS・pH・残留塩素・透視度などの水質検査、設備の稼働確認、異常の有無の判定を行い、地域の水環境保全に直接関わる専門職です。

資格取得には、環境省指定の講習を受講し、実施される修了考査(筆記試験)に合格する必要があります。講習内容は水質分析・浄化槽構造・法令・検査手順など多岐にわたり、環境分析・水処理系の知識が求められます。検査機関(都道府県知事が指定)に所属して業務を行うことが一般的です。

SDGsや水環境保全の重要性が高まる中、浄化槽検査員は自治体・検査機関・ビル管理会社などで需要が増えており、地域インフラを支える専門性の高い資格として注目されています。

浄化槽検査員の試験概要

根拠法令浄化槽法および関係省令。
指定講習修了者のみが法定検査を行える国家資格に基づく講習修了制度。
所管官庁環境省。
講習・修了考査:日本環境整備教育センター(指定講習機関)。
種類浄化槽検査員(単一区分)
※都道府県知事の指定を受けた検査機関に勤務して業務を行う。
受講資格年齢・学歴の制限なし。誰でも受講可能。
※ただし、実務で水質検査や環境分析を扱うため、関連知識があると有利。
講習・試験内容【講習(学科)】
・浄化槽法(7条・11条検査の内容)
・浄化槽構造・処理方式(嫌気・好気・ばっ気方式)
・設備点検(ブロワ・ろ材・流量計)
・検査手順と記録方法
・水質検査(BOD、SS、pH、透視度、残留塩素)
・試薬の取扱い、安全管理

【修了考査(試験)】
・講習内容を中心とした筆記試験
・水質項目の理解と法令知識が得点の中心
・基準点以上で合格
難易度水処理・化学の基礎知識が必要なため、初心者は難しく感じやすい。
環境分析経験者・浄化槽管理士経験者は比較的合格しやすい。
資格取得までの流れ(1)指定講習の申し込み
(2)講習受講(複数日)
(3)修了考査 → 合格
(4)検査員として登録
(5)指定検査機関に所属して法定検査業務が可能
更新更新制度なし。
ただし、試薬・検査機器の取り扱いが変わるため、継続的な研修が推奨される。

浄化槽検査員に関するQ&A

Q1. 検査員は独立して仕事できますか?

A. できません。都道府県が指定する検査機関に所属する必要があります。

Q2. 浄化槽管理士とは役割が違いますか?

A. はい。管理士は維持管理、検査員は法定検査を担当します。

Q3. 水質検査は自分で裁量して行いますか?

A. 県ごとの基準手順が定められており、それに従って実施します。

浄化槽検査員が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

  • 法定検査を行う浄化槽検査員(指定検査機関)

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 環境省 浄化槽法
  • 日本環境整備教育センター(指定講習機関)
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