地域通訳案内士(ちいきつうやくあんないし)とは?
地域通訳案内士とは、特定の地域内で外国人観光客に対して観光地や文化を外国語で案内できる公的資格です。全国通訳案内士が全国を対象とするのに対し、地域通訳案内士は都道府県が認定し、地域の魅力や文化資源に特化した案内ができる点が特徴です。地域の観光振興やインバウンド対策の一環として制度化され、地域経済や観光産業において欠かせない人材とされています。
対象となる地域は都道府県ごとに異なり、観光庁の定めた基準に沿って各自治体が独自に実施・運営しています。たとえば京都府では伝統文化・寺社仏閣の案内、沖縄県では自然・戦跡・リゾート観光など、地域の特色を活かした研修・試験内容が設定されています。
全国通訳案内士と異なり、筆記試験を伴わず、都道府県主催の研修修了・実地評価をもって認定されるケースが多いです。地域住民の中から地元愛をもって観光客を案内できる人を育成することが目的であり、外国語の専門家というより「地域文化の語り手」としての側面が強い資格です。
特に地方自治体が推進する「観光人材育成プログラム」や「地域通訳案内士登録制度」においては、資格保有者が観光案内所、宿泊施設、自治体観光課などと連携し、地域観光の中核を担っています。
地域通訳案内士を取るために必要なこと・取得概要
| 根拠法令 | 通訳案内士法(第36条・第37条)/各都道府県条例 |
|---|---|
| 所管官庁 | 都道府県(観光庁の指導のもと運用) |
| 受験(取得)資格 | 18歳以上で、都道府県が実施する地域研修を修了すること。学歴・職歴不問。 |
| 試験・研修内容 | 外国語能力(英語・中国語・韓国語など)、地域の観光資源、文化・歴史・防災・接遇マナーなどを含む研修。筆記試験の代わりに口述・実地評価を行う自治体もあり。 |
| 資格取得までの流れ | 都道府県主催の地域通訳案内士研修を受講 修了試験・面接評価を受ける 都道府県に登録申請し、「地域通訳案内士証」を交付 |
| 有効範囲 | 登録した都道府県内でのみ有償案内が可能 |
| 更新 | 自治体により3〜5年ごとの更新・研修義務あり |
語学力に加え、地域固有の知識や観光現場での接客マナーが重視されます。観光ガイドや宿泊施設従業員が取得するケースも多く、地域観光に関わる幅広い職種で活用されています。
地域通訳案内士が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 観光庁「地域通訳案内士制度について」
- 各都道府県観光課 公表資料

