ダム管理主任技術者(だむかんりしゅにんぎじゅつしゃ)

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ダム管理主任技術者とは?

ダム管理主任技術者とは、ダムの運用・監視・保守管理を統括する専門技術者であり、河川法(第50条)および関係省令に基づきダムの設置者が配置すべき法定の資格者です。ダムは治水・利水・発電・流域管理など多くの社会基盤機能を担っており、その安定運用には高度な設備知識・災害対応力・施設管理能力が不可欠です。これらを統括し、安全基準に従って運用する役割を負うのがダム管理主任技術者です。

資格取得のためには、国土交通大臣登録研修機関である全国建設研修センターが実施する「ダム管理主任技術者(学科・実技)研修」の修了、もしくは実務経験による要件を満たす必要があります。研修は、ダム施設の構造・運用計画・操作規則・点検方法・渇水・洪水時の操作・異常時対応・施設劣化診断など、現場に直結する内容で構成され、ダム管理者としての実務能力を体系的に習得できます。

近年は集中豪雨・渇水対策・老朽化施設の更新需要が増加しており、ダム管理主任技術者は河川管理、自治体インフラ、民間発電会社などで専門職として高いニーズがあります。特に災害対応における判断力が重視されるため、現場経験と研修での総合的な理解が必須となる資格です。

ダム管理主任技術者の試験(研修)概要

根拠法令河川法第50条、および河川法施行規則第27条の2に基づく法定資格。
ダムの管理主体が配置すべき「管理主任技術者」の資格要件を定める制度。
所管官庁国土交通省(水管理・国土保全局)
研修実施:一般財団法人 全国建設研修センター(国土交通大臣登録研修機関)
受験(受講)資格ダム・河川管理等に関わる実務経験者、または管理に従事する予定の技術者。
研修修了で管理主任技術者として認定される。
研修内容(学科)・ダムの構造と機能
・洪水調節・利水運用の基礎
・操作規則・水文データの扱い
・ダム安全管理・法令
・異常時・災害時の対応
・点検・設備保守の基礎
研修内容(実技)・取水設備・放流設備の操作訓練
・監視設備の扱い
・現地施設での点検実習
・平常時〜緊急時の運用シミュレーション
難易度学科・実技ともに専門性が高く、実務未経験者には難しい。(体感 難易度3〜4)
資格取得までの流れ研修受講 → 修了認定 → 管理者への選任 → ダム管理主任技術者として業務開始。
更新制度上の明確な更新試験はないが、管理者は実務に応じて継続研修・法令確認が必要。

必要な職業/あると有利な職業

1. 必ず必要な職業

  • ダム管理技術者(ダム管理施設で主任者として配置が必要)

2. あると有利な職業

Q&A

Q. ダム管理主任技術者は国家資格ですか?

A. 河川法に基づく法定資格であり、国家資格と同等の扱いです。

Q. 試験ではなく研修なの?

A. はい。国土交通大臣登録研修を修了することで資格要件を満たします。

Q. 実務経験がなくても取得できますか?

A. 実務経験がなくても受講は可能ですが、管理主任者としての配置には実務が必要です。

Q. ダム以外の施設でも活かせますか?

A. はい。水力発電所、河川管理施設、インフラ企業など幅広い現場で評価されます。

出典

  • 河川法 第50条/河川法施行規則 第27条の2
  • 一般財団法人 全国建設研修センター「ダム管理主任技術者研修」
  • 水管理・国土保全局 ダム管理関連資料
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