電気工事施工管理技士（でんきこうじせこうかんりぎし）

建てる・つくる仕事

電気工事施工管理技士とは？

電気工事施工管理技士は、電気設備工事の現場で品質・安全・工程管理を統括する国家資格です。オフィスビル・商業施設・工場・発電所・データセンター・公共インフラなど、あらゆる建築物の電気設備工事に関わり、現場運営の中心的役割を担います。

電気工事は照明・コンセント・動力設備・空調・消防設備・通信ネットワークなど多岐にわたり、施工管理技士は図面通りに安全かつ効率的に施工が進むよう、現場全体を調整します。また、協力会社との打ち合わせ、材料手配、作業指示、安全パトロール、品質確認など、施工現場の“司令塔”のような存在です。

電気工事施工管理技士は1級と2級があり、1級は大規模工事の主任技術者・監理技術者として配置され、2級は中小規模工事が中心です。特に1級は電気工事業界でのキャリアの中核で、ゼネコン・サブコンにおいて昇進・給与アップに直結する重要資格です。

さらに、電気工事士の資格とは役割が異なり、「電気工事士＝実際に配線や施工を行う人」、「施工管理技士＝現場全体の管理者」という分担構造になっています。現代の建設現場では、ICT・BIM・省エネ基準など技術的要素が高度化しており、施工管理技士は専門的判断を求められる高度職種です。

根拠法令	建設業法に基づく国家資格（技術検定）。電気工事の主任技術者・監理技術者となるための必須資格。
所管官庁	国土交通省（試験実施：全国建設研修センター）
区分	1級（大規模工事の管理）／2級（中小規模工事の管理）
受験資格	学歴・実務経験に応じて受験に必要な年数が異なる。電気工事士・電気主任技術者などの資格保持者は実務年数が短縮される。
試験内容	学科試験（電気理論、電気設備、施工管理、法規）＋実地試験（施工管理経験記述・施工計画・安全管理）。 1級は記述式の難度が高く、豊富な現場経験と論理的な文章力が必要。
合格率	学科：40〜60％前後実地：20〜40％前後（年度により変動） ※1級実地が特に難関。
資格取得までの流れ	必要実務経験 → 学科試験合格 → 実地試験合格 → 技術検定合格通知 → 監理技術者講習（1級のみ）
活動範囲	商業施設・ビル・工場・データセンター・住宅・公共インフラの電気設備工事全般。電気工事会社、サブコン、ゼネコン、設備管理会社などに広く活躍。
更新	更新なし（1級の監理技術者は5年ごと講習）
出典	国土交通省「技術検定制度」／全国建設研修センター資料