ガス主任技術者(がすしゅにんぎじゅつしゃ)とは?
ガス主任技術者は、「ガス事業法」に基づく国家資格で、ガス事業者の施設(製造所・導管・供給設備など)の安全管理を行う専門技術者です。ガス供給の安定と安全を確保するため、ガス会社や自治体などの事業所では必ず有資格者を選任することが義務づけられています。
ガスは爆発性・可燃性を持つため、製造・供給のすべての過程で高度な安全管理が必要です。ガス主任技術者は、配管圧力の監視、供給設備の点検、緊急時の対応マニュアル策定、法定検査の実施など、現場の保安を統括する責任者として機能します。
資格は「甲種」「乙種」「丙種」の3種類があり、扱えるガス事業の範囲が異なります。甲種は都市ガスなどの製造・供給全般を管理でき、乙種は中規模ガス事業に対応、丙種は比較的小規模な供給施設の管理に限定されます。
ガス主任技術者を取るために必要なこと
- 受験資格:制限なし(誰でも受験可)。ただし実務経験者が多く、理工系の知識が必須です。
- 試験内容:筆記試験では「ガス工学」「機械工学」「電気工学」「保安管理」「法令」などを出題。高度な工学知識が求められます。
- 合格率:甲種約10%、乙種約15%、丙種約25%と難易度は高めです。
- 登録:合格後、経済産業大臣への申請を経て免状が交付され、事業所の「選任技術者」として配置可能になります。
この資格は都市ガス会社・プラント業界・設備管理会社などで需要が高く、安定したキャリアを築ける資格のひとつです。特に再エネや水素エネルギーの普及により、将来性も高まっています。
ガス主任技術者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- ガス販売スタッフ
2. あると有利な職業
- ビルメンテナンススタッフ
- プラント技術者
- エネルギー管理士
公式情報/出典
- 根拠法令:ガス事業法(昭和29年法律第51号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般財団法人 日本ガス機器検査協会(JIA)
- 出典:経済産業省「ガス主任技術者試験制度概要」/日本ガス機器検査協会「令和6年度試験案内」