電気主任技術者(でんきしゅにんぎじゅつしゃ)とは?
電気主任技術者は、「電気事業法」に基づく国家資格で、事業用電気工作物の保安監督を行う技術者です。高圧・特別高圧の電気設備を設計・維持・管理するため、発電所・変電所・工場・ビルなどの電気設備に必ず選任が義務づけられています。
企業や公共施設などでは、受変電設備の点検や漏電防止、停電時対応、電力使用の最適化など、施設全体の電気安全を担う責任者です。電力の安定供給と安全確保の両立が求められるため、現場経験と高度な理論知識を兼ね備えたプロフェッショナル資格とされています。
また、電気主任技術者は第1種〜第3種に区分され、扱える電圧範囲が異なります。第1種は大規模発電所や送電網レベル、第2種は中規模プラントや大規模ビル、第3種は一般的な工場・商業施設などを担当します。
電気主任技術者を取るために必要なこと
- 受験資格:制限なし(誰でも受験可能)。ただし、実務経験があると合格後の実務に直結しやすいです。
- 試験内容:理論・電力・機械・法規の4科目で構成。電磁気学、回路理論、発電・送配電、法令など広範な知識が問われます。
- 合格率:第1種約5%、第2種約10%、第3種約10〜15%と非常に難関です。
- 登録:合格後、経済産業大臣の免状交付を受け、事業所で「選任技術者」として配置されます。
近年では再生可能エネルギー施設の普及により、電気主任技術者のニーズが増加しています。特に第3種は工場やオフィスビルの設備管理職で重宝され、資格手当やキャリアアップにも直結します。
電気主任技術者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- ビルメンテナンススタッフ(電気・設備管理を担当する場合)
2. あると有利な職業
- 安全管理者
- 電気工事士
- エネルギー管理士
公式情報/出典
- 根拠法令:電気事業法(昭和39年法律第170号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般財団法人 電気技術者試験センター
- 出典:経済産業省「電気主任技術者制度概要」/電気技術者試験センター「令和6年度試験案内」