エネルギー管理士(えねるぎーかんりし)とは?
エネルギー管理士は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」に基づく国家資格で、事業所や工場などにおけるエネルギー使用の最適化と省エネ対策を統括する専門技術者です。年間エネルギー使用量が一定基準を超える「指定工場」では、法令でエネルギー管理士の選任が義務づけられています。
主な業務は、電気・燃料などのエネルギー使用量の分析、設備効率の改善、CO₂排出削減策の立案、省エネ計画の策定など。技術とマネジメントの両面から「企業のエネルギーコスト削減」と「環境保全」を両立させることが使命です。
この資格は、工場・オフィスビル・公共施設などの管理部門における省エネの責任者として評価が高く、近年は「カーボンニュートラル推進人材」としても注目されています。
エネルギー管理士を取るために必要なこと
- 受験資格:学歴や職務経歴に応じて受験条件が異なります。技術系の大学卒業者や実務経験者などが対象。
- 試験内容:「エネルギー総合管理」「電気設備」「熱設備」「法令」などの4科目。選択科目により「電気分野」と「熱分野」に分かれます。
- 合格率:例年20〜25%前後で、実務経験が求められる中上級難易度です。
- 登録・選任:合格後、所定の手続きを経て事業所における「エネルギー管理士」として選任されます。
また、試験以外にも「エネルギー管理研修」(登録機関による講習)を受講して資格を取得するルートもあります。設備管理や省エネコンサルティング職においては、必須または昇進要件とされるケースも多いです。
エネルギー管理士が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- ビルメンテナンススタッフ(電気・設備管理を担当する場合)
2. あると有利な職業
- 安全管理者
- 電気主任技術者
- エネルギー関連コンサルタント
公式情報/出典
- 根拠法令:エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和54年法律第49号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般財団法人 省エネルギーセンター(ECCJ)
- 出典:経済産業省「エネルギー管理士制度概要」/省エネルギーセンター「令和6年度試験案内」