自然・動物と関わる仕事
普及指導員(ふきゅうしどういん)とは?
普及指導員は、「農業改良助長法」に基づく国家資格で、農業者に対して技術指導や経営相談を行う専門職です。一般には「農業改良普及員」とも呼ばれ、農業の生産性向上と地域農業の発展を目的に、各都道府県の農業改良普及センターなどに配置されています。
普及指導員の主な仕事は、農業者の現場に出向き、作物栽培技術・経営改善・環境保全・スマート農業など多分野にわたるアドバイスを行うことです。また、病害虫の発生状況や土壌データの分析、農業経営に関する情報提供など、科学的知見に基づく支援を通じて、地域の持続可能な農業を支える重要な役割を果たします。
戦後から続く普及指導制度は、長い歴史の中で進化を続けており、現在では若手農家の育成や地域ブランドづくり、6次産業化の支援など、地域農業の総合的なコーディネーターとしての役割も強まっています。
普及指導員を取るために必要なこと
- 受験資格:大学や短大、高専などで農学・園芸・畜産・経営などの専門教育を受けた者、または一定の実務経験を持つ者が受験可能です。
- 試験内容:筆記試験(農業経営・作物・土壌肥料・病害虫など)と口述試験が行われます。現場での指導力や論理的説明力も重視されます。
- 合格後の登録:試験合格後、農林水産省の登録を経て正式な「普及指導員」として活動できます。
合格率は例年25〜35%前後。試験実施機関は一般社団法人全国普及指導協会連合会。都道府県単位で採用されるため、公務員試験と併行して受験するケースも多く見られます。
普及指導員が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 農業従事者(農業改良普及センター勤務)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:農業改良助長法(昭和23年法律第198号)
- 試験実施機関:一般社団法人 全国普及指導協会連合会
- 所管:農林水産省
- 出典:農林水産省「普及指導員試験実施要領」/全国普及指導協会連合会資料(令和6年度)