はり師(はりし)

医療・ケア
医療とケアの仕事

はり師(はりし)とは?

はり師は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」に基づく国家資格で、東洋医学に基づいて体表の経穴(ツボ)に鍼を刺し、血行改善や痛みの緩和、体調の調整を行う専門職です。 肩こり・腰痛・神経痛・不眠などの改善に加え、スポーツや美容分野でのニーズも高まっています。 医療行為として認められており、資格を持たない者の施術は禁止されています。

はり師は、東洋医学の理論に基づき「気・血・水」のバランスを整えることで、人間が本来持つ自然治癒力を高めることを目的としています。西洋医学ではカバーしきれない慢性的な不調や、自律神経の乱れに起因する症状に効果が期待され、補完代替医療としても注目されています。さらに近年は、スポーツ障害のリハビリやパフォーマンス向上、美容鍼によるリフトアップや肌質改善など、新しい分野での需要も高まっています。安全な施術を行うために解剖学や生理学の知識も必須であり、医師と連携しながら医療現場で活躍するケースも見られます。

はり師の試験概要

根拠法令 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(あはき法)に基づく国家資格。
東洋医学の理論に基づき、生体のバランスを調整する施術者としての技術と知識を評価する制度。
所管官庁 厚生労働省。
国家試験の実施は「公益財団法人 東洋療法研修試験財団」が担当。
受験資格 文部科学大臣・厚生労働大臣が認定した養成施設(専門学校・大学など)で、所定のカリキュラムを修了した者。
入学には原則「高等学校卒業」が必要。
試験内容 学科試験(筆記・マークシート方式)のみ。
主な科目:東洋医学概論、生理学、解剖学、臨床医学総論、衛生学、公衆衛生学、関係法規、はり理論 など。
合格基準 総得点の60%前後が目安とされる。
科目ごとの足切りはなく、全体の点数で合否が決まる。
試験日程 年1回実施(例年2月)。
受験申請は例年11〜12月頃。
実技試験 国家試験としての実技試験はなし。
技術評価は養成校での実技授業・実習で行われる。

はり師国家試験Q&A

Q1. はり師の合格率はどれくらい?
毎年80~90%前後と高めです。
養成校のカリキュラムが国家試験に合わせて作られているため、しっかり授業を受ければ合格しやすい試験です。
Q2. 鍼灸院を開業するには、はり師だけでいい?
はり師+きゅう師の両方を取得するのが一般的です。
鍼灸院として開業する場合、どちらの施術も提供できる方が実務上も経営上も有利です。
Q3. 実技が苦手だと厳しい?
最初は誰でもぎこちないので心配不要です。
実技は学校でしっかり時間をかけて練習でき、国家試験に実技はありません。
卒業後は臨床経験を重ねるほど技術が安定します。
Q4. どんな就職先がある?
鍼灸院、接骨院(柔道整復師との併設が多い)、美容鍼サロン、スポーツトレーナー、訪問鍼灸、医療機関のリハビリ部門など。
独立開業しやすい点も特徴です。
Q5. 美容鍼は国家資格が必要?
鍼を扱う以上、国家資格(はり師)が必須です。
「美容目的でも医療行為に該当する」ため、無資格での施術は法律で禁止されています。

はり師が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

  • 鍼灸師:きゅう師と併用して鍼灸師として活躍

公式情報/出典

  • 厚生労働省「はり師国家試験」
  • 厚生労働省「はり師国家試験結果(令和5年度)」

難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※難易度は合格率・学習年数・試験範囲をもとに当サイト独自に評価しています。

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