環境とエネルギーの仕事
浄化槽技術管理者とは?
浄化槽技術管理者は、浄化槽法に基づく「国家資格に基づく講習修了資格」で、500人槽を超える大型浄化槽の設置者に配置が義務付けられている“技術責任者”です。生活排水を適切に処理し、水質汚濁を防ぐための維持管理・点検・水質検査・機器調整など、浄化槽の安全運転を担う最も重要な専門職です。
大型浄化槽は処理工程が複雑で、ばっ気槽・沈殿槽・消毒槽・汚泥処理設備など多段構造となっています。浄化槽技術管理者は、これらの運転管理、水質基準の確認、異常時の対応、点検計画の作成などを行い、その浄化槽が法令に適合して運転されているかを管理する責任を負います。
資格取得には、環境省が指定する講習を受講し、修了考査に合格する必要があります。浄化槽の構造、維持管理方法、水質計測法、関係法令など幅広い内容が出題され、特に実務経験がない人にとっては難易度の高い内容です。浄化槽管理士とは役割が異なり、より大型施設の技術管理を行う“施設側の責任者”として認められる資格です。
環境保全・地域インフラとしての浄化槽管理の重要性は年々高まっており、自治体・管理会社・ビル管理業者・環境設備会社など多様な現場で浄化槽技術管理者のニーズが増えています。
浄化槽技術管理者の試験概要
| 根拠法令 | 浄化槽法および関係省令。 指定講習修了者のみが技術管理者として従事できる国家資格に基づく講習修了制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 環境省。 講習実施機関:日本環境整備教育センター(指定講習機関)。 |
| 種類 | 浄化槽技術管理者(単一区分)。 ※500人槽超の浄化槽の「技術管理者」として勤務可能。 |
| 受講資格 | 年齢・学歴の制限なし。誰でも受講可能。 ただし、浄化槽管理の実務経験があると理解しやすい内容。 |
| 講習・試験内容 | 【講習(学科)】 ・浄化槽法・建築基準法・水質基準 ・浄化槽の構造(ばっ気・沈殿・消毒) ・水質管理(BOD、SS、pH、残留塩素) ・汚泥処理・維持管理計画 ・設備点検・異常時対応 【修了考査(試験)】 ・講習内容を中心とした筆記試験 ・基準点以上の正答で合格 ※合格者には技術管理者として登録可能。 |
| 難易度 | 廃棄物・水処理の基礎知識がある人は合格しやすいが、未経験者には難易度が高い内容。 特に水質項目と浄化槽構造部分で理解が必要。 |
| 資格取得までの流れ | (1)指定講習の申し込み (2)講習受講(複数日) (3)修了考査 → 合格 (4)技術管理者として登録 (5)大型浄化槽の技術管理者として勤務可能 |
| 更新 | 更新制度なし。 ただし、法令改正への対応のため継続学習が推奨される。 |
浄化槽技術管理者に関するQ&A
Q1. 浄化槽管理士とは何が違う?
A. 管理士は維持管理・点検の専門職、技術管理者は大型施設の「技術責任者」です。
Q2. 初心者でも合格できますか?
A. 可能ですが、水処理・設備管理の予備知識がある方が圧倒的に有利です。
Q3. どんな職場で必要ですか?
A. 病院・学校・商業施設・宿泊施設などの大型浄化槽、自治体の施設、管理会社などです。
浄化槽技術管理者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 大型浄化槽の技術責任者
あると有利な職業
- ビルメンテナンススタッフ
- 自治体(環境・上下水道部門)
公式情報/出典
- 環境省 浄化槽法
- 日本環境整備教育センター(指定講習機関)


