医療とケアの仕事
助産師(じょさんし)とは?
助産師は、保健師助産師看護師法に基づく国家資格で、妊娠・出産・産後の母子を支える専門職です。 正常な分娩の介助、新生児のケア、母乳育児の支援、さらに女性の健康相談にも対応します。 看護師資格を取得した後に助産師養成課程で1年以上学び、国家試験に合格することで資格を得られます。
助産師は病院や産科クリニックだけでなく、地域の保健センターや助産院でも活動しています。妊婦健診や分娩介助のほか、出産後の母親へのメンタルケアや授乳指導、育児に関する相談も担い、母子の生活全般を支える存在です。また、不妊治療や思春期の性教育、高齢期の女性の健康支援など、ライフステージに応じた幅広いサポートも行います。女性と家族に寄り添い、安心して出産・子育てができる社会づくりに貢献する専門職として、今後も重要性が高まっています。
助産師の試験概要
| 根拠法令 |
保健師助産師看護師法(保助看法)に基づく国家資格。 妊産婦のケア、分娩介助、新生児ケアを専門的に担う医療職としての知識・技能を評価する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
厚生労働省。 国家試験の実施は「一般財団法人 日本助産評価機構」。 |
| 受験資格 |
・看護師免許を取得済みであること(必須)。 ・文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した助産師養成課程(1年以上)を修了した者。 |
| 試験内容 |
学科試験(マークシート方式)のみ。 主な科目:母性看護学、助産学、地域母子保健、公衆衛生学、関係法規、新生児看護学 など。 |
| 合格基準 |
必修問題:80%以上。 一般問題・状況設定問題:総得点の約60%が目安。 |
| 試験日程 |
年1回実施(例年2月)。 受験願書は例年11〜12月に受付。 |
| 実技試験 |
国家試験に実技はなし。 技術評価は養成校の実習(分娩介助実習・母子支援実習など)で行われる。 |
助産師国家試験Q&A
- Q1. 合格率はどれくらい?
-
毎年90%前後と高い水準です。
ただし必修問題の基準を満たさないと不合格になります。 - Q2. 看護師免許は必須?
-
はい、必須です。
「看護師 → 助産師」の順番で取得する完全なステップ制です。 - Q3. 実習はきつい?
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分娩介助実習、妊婦健診実習、新生児ケア実習などがあり負担は大きめです。
夜間帯の実習が続くこともあり、体力と精神的なタフさが必要です。 - Q4. 助産師と看護師の違いは?
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助産師は「妊娠・出産・産後ケア」のスペシャリスト。
看護師よりも幅広い助言・指導、分娩の介助(医師不在時でも可)ができます。 - Q5. 就職先はどこが多い?
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産科病院、総合病院の産科、助産院、地域母子保健、自治体(母子保健)など。
NICUや周産期センターで働く助産師も増えています。
助産師が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 助産師:分娩の介助や母子ケアを行うため必須
あると有利な職業
- 看護師:母性看護分野でのスキルアップに役立つ
公式情報/出典
- 厚生労働省「助産師国家試験」
- 厚生労働省「助産師国家試験結果(令和5年度)」
難易度: ⭐️⭐️⭐️⭐️ (難易度4)
※難易度は看護師資格取得後にさらに養成課程を経る必要性・試験範囲をもとに当サイト独自に評価しています。


