公務員・安全を守る仕事
火薬類製造保安責任者(かやくるいせいぞうほあんせきにんしゃ)とは?
火薬類製造保安責任者は、「火薬類取締法」に基づく国家資格で、火薬類を製造する工場や事業所において、安全な製造と保安管理を統括する技術者です。火薬類は爆発性・反応性が極めて高く、製造過程でのわずかなミスが重大事故につながるため、有資格者の管理が法令で義務づけられています。
主な業務は、原材料の取り扱いから混合・充填・保管・出荷までの各工程における安全確認、設備点検、作業員への保安教育など。特に爆薬・火工品・花火などの製造工場では、事故防止と保安体制の確立を担う重要な立場です。
火薬類製造保安責任者には「甲種」「乙種」「丙種」の区分があり、製造できる火薬の種類や工場規模が異なります。甲種はすべての火薬類を扱える最上位資格で、製造現場の責任者クラスが多く取得しています。
火薬類製造保安責任者を取るために必要なこと
- 受験資格:制限なし(誰でも受験可能)。ただし化学・機械分野の実務経験があると有利です。
- 試験内容:「火薬類の性質」「化学工学」「保安管理」「火薬類取締法」などの筆記試験を実施。
- 合格率:例年20〜30%前後で、専門知識を要する中〜上級レベルです。
- 免許取得:合格後、都道府県知事の交付を受けて正式に免許が発行されます。
火薬類製造保安責任者は、火薬・花火・火工品などを製造する企業で不可欠な存在であり、製造オペレーターや化学プラント技術者の上位資格としても活用されています。
火薬類製造保安責任者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 製造オペレーター(化学製品)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:火薬類取締法(昭和25年法律第149号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般社団法人 火薬学会
- 出典:経済産業省「火薬類製造保安責任者制度概要」/火薬学会「令和6年度試験案内」


