計量士(けいりょうし)とは?
計量士は、「計量法」に基づく国家資格で、計量器(はかり・温度計・圧力計など)の精度や測定値の信頼性を保証する専門家です。製造業・環境計測・エネルギー管理などの現場で、正確な測定を行うための校正・管理・監査を担当します。
ものづくりの現場では、製品の品質管理や検査工程で「1グラムの誤差」も許されないことがあり、その精度を保つのが計量士の役割です。また、環境分野では排出ガス・排水などの公害計測にも関わり、企業が法令に基づいて正確な測定を行っているかをチェックします。
計量士の資格を持つことで、「環境計量士」「一般計量士」の2つの区分で活躍できます。環境計量士は大気や水質の測定を専門とし、一般計量士は工業製品や計測機器の精度管理を行います。どちらも計量の専門家として、公共機関・分析センター・製造企業などで高い需要があります。
正確な数値データは品質保証や安全管理の根幹を支えるため、計量士は「見えない精度を守る縁の下の力持ち」として欠かせない存在です。
計量士を取るために必要なこと
- 受験資格:年齢・学歴に制限はありませんが、計量実務経験や理系知識が求められます。
- 試験区分:環境計量士(濃度関係・騒音振動関係)と一般計量士の3区分に分かれています。
- 試験内容:数学・物理・化学・統計などの理系基礎知識に加え、法令・分析技術・測定原理などを出題。
- 合格率:例年15〜25%前後で、国家資格の中でも中上級レベル。
- 登録:合格後、経済産業大臣の登録を受けて正式に「計量士」として活動できます。
なお、環境計量士(濃度・騒音振動)は環境分析業務における法定配置資格であり、環境分析機関では必ず有資格者の配置が義務づけられています。
計量士が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 環境分析技術者
2. あると有利な職業
- 品質管理スタッフ
- 製造オペレーター
- 分析技術者
公式情報/出典
- 根拠法令:計量法(平成4年法律第51号)
- 所管:経済産業省
- 試験実施機関:一般社団法人 日本計量振興協会
- 出典:経済産業省「計量士制度概要」/日本計量振興協会「計量士試験情報(令和6年度)」