航空工場検査員（こうくうこうじょうけんさいん）

ものづくり・工場の仕事

航空工場検査員（こうくうこうじょうけんさいん）とは？

航空工場検査員は、「航空法」に基づく国家資格で、航空機の製造・整備を行う工場や企業において、製造工程や製品の品質を検査・監督する技術者です。国土交通省の認定を受けた航空機メーカーや整備工場に配置され、航空機の安全性を確保する最後の砦として重要な役割を担います。

航空工場検査員の主な業務は、航空機部品・エンジン・計器類などの製造過程における品質検査、工程管理、そして法令に定められた技術基準への適合確認です。国の承認を受けた製造施設で生産される全ての部品は、検査員の承認なしには航空機に組み込むことができません。

この資格を持つ者は、航空機の安全基準やJIS規格、非破壊検査（NDT）技術、品質マネジメントなどの高度な知識を活かし、航空機産業における品質保証の中核を担います。ボーイングや三菱重工、川崎重工といった航空機関連企業でも、多くの航空工場検査員が活躍しています。

根拠法令	航空法および関連省令に基づく国家資格。航空機の製造・修理・整備を行う工場や事業所が、国の基準に適合しているかを検査・監督するために設けられた制度。
所管官庁	国土交通省（航空局）。指定航空工場の認定・監督を行い、検査員資格の認定も所管している。
受験資格	・航空工学、機械、電気などの専門知識を有する者。・航空機メーカーや整備会社などで一定の実務経験を有する者。・国土交通省が実施する講習および審査に合格する必要がある。
試験・講習内容	・航空法および関連法規・航空機構造・システム・材料・製造・修理工程の検査基準・安全管理・品質保証・検査報告および適合審査の手順 ※筆記および実務審査を経て認定される。
資格の特徴	航空機の安全を根本から支える重要な資格。航空工場の検査・品質保証部門で活躍する国家資格であり、航空機製造の信頼性を確保する要となる。国際的にも通用する技術と法令知識が求められる。