建てる・つくる仕事
高圧室内作業主任者(こうあつしつないさぎょうしゅにんしゃ)とは?
高圧室内作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、潜函(せんかん)工事や圧気シールド工事など、高圧気体を利用する特殊な作業現場において安全管理を行うために必要な資格です。 高圧室内作業とは、地下鉄トンネルや港湾施設の建設などで、作業空間に圧縮空気を送り込み、地下水の流入を防ぎながら工事を進める方法を指します。作業員は高気圧環境下で働くため、減圧症(いわゆる潜水病)や循環器系への負担など、健康リスクが非常に高く、安全対策が不可欠です。そこで、現場には必ず「高圧室内作業主任者」を選任し、安全監督を行うことが法律で義務付けられています。
主任者は、作業環境の圧力管理や換気装置の点検、作業員の交代サイクルや休憩時間の設定など、健康を守るための細かな指示を担います。さらに、作業終了後の減圧手順の管理も主任者の重要な業務です。不適切な減圧は重大な健康被害につながるため、正確な知識と経験が求められます。高圧室内作業主任者は、まさに「見えないリスク」を管理する専門家であり、作業員の命を守る責任を負う存在です。
この資格を有することで、特殊工事分野において安全管理者として活躍することが可能になります。大規模インフラ整備や都市開発の現場では欠かせない資格であり、社会基盤を支える重要な役割を果たしています。
- 資格の種類: 国家資格
- 分野カテゴリ: 建てる・つくる
- 対象者: 潜函工事やシールド工事など高圧気体を扱う現場に従事する人
受験概要
所管 | 厚生労働省 |
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受験資格 | 年齢・学歴などの制限はなく誰でも受験可能 |
試験内容 | 学科試験(圧気工法、空気力学、健康管理、安全衛生、関係法令など)と実技試験(高圧室内での安全確認、減圧管理) |
合格率 | 約30〜40%前後 出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 |
高圧室内作業主任者を取るために必要なこと
- 基礎学習: 圧気工法や空気力学の基礎、安全管理の知識を学ぶ。
- 試験受験: 安全衛生技術センターで実施される試験を受験。
- 合格・選任: 合格後、事業者に主任者として選任され、安全管理責任者として勤務。
- 継続教育: 実務を通じて経験を積み、最新の安全基準や健康管理方法を学び続ける。
高圧室内作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「労働安全衛生法」関連資料
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会
難易度: ⭐️⭐️⭐️⭐️ (難易度4)
※特殊な知識と実技が必要で、安全責任が極めて重い。