公害防止主任管理者（こうがいぼうししゅにんかんりしゃ）

環境とエネルギーの仕事

公害防止主任管理者とは？
公害防止主任管理者の試験概要
公害防止主任管理者に関するQ&A
公害防止主任管理者が必要な職業／あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
2. あると有利な職業
公式情報／出典

公害防止主任管理者とは？

公害防止主任管理者は、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」に基づく国家資格で、公害防止管理者を指揮し、工場や事業所の環境管理全体を統括する上級資格です。公害防止管理者が“現場の実務責任者”であるのに対し、公害防止主任管理者はその上位に立ち、法令遵守・監視体制・環境保全対策を総合的にマネジメントする立場にあります。

対象となる「特定工場」では、大気汚染・水質汚濁・騒音・振動などの環境負荷が発生する可能性があるため、国は公害防止組織の整備を義務付けています。主任管理者はその中心となり、設備運転の指導、異常時の対応、測定結果の判定、改善計画の策定など、幅広い業務を監督します。

本資格は、公害防止管理者（大気、水質、騒音振動、ダイオキシン）などの区分合格者や、一定の実務経験を持つ者が受験可能で、環境管理の上級職として企業からの評価が非常に高い資格です。環境事故予防やコンプライアンス強化のため、製造業・化学工場・エンジニアリング会社で特に重視されます。

環境法令は改正が多く、設備技術も高度化しているため、主任管理者には最新の知識を継続的にアップデートする姿勢が求められます。環境部門の責任者や管理職を目指す人にとって、キャリア上の強力な武器となる資格です。

公害防止主任管理者の試験概要

根拠法令	特定工場における公害防止組織の整備に関する法律。公害防止主任管理者は公害防止組織の最高責任者として国が定める国家資格。
所管官庁	経済産業省・環境省。試験実施：一般社団法人産業環境管理協会（委託機関）。
種類	公害防止主任管理者（単一区分）。 ※公害防止管理者よりワンランク上の統括資格。
受験資格	・公害防止管理者（いずれかの区分）の有資格者・または環境管理の実務経験者（年数は区分により異なる） ※受験資格は比較的厳格で、一定の環境業務経験が求められる。
試験内容	【筆記試験】・公害総論（環境法規、構造改革、環境政策）・組織運営（公害防止組織・監督体制）・大気・水質・騒音振動等の総合管理・異常時対応・リスク管理・計量管理・測定結果の解釈 ※公害防止管理者よりも総合的かつマネジメント寄りの内容が中心。
難易度	公害系国家資格の中では上級レベル。法令・技術・運営管理を横断的に理解する必要があり、合格率は低め。管理者経験・実務知識がある人ほど有利。
資格取得までの流れ	（1）受験資格確認（2）国家試験（年1回）（3）合格 → 公害防止主任管理者として登録（4）特定工場の環境管理責任者として選任可能
更新	更新制度なし。ただし法令改正が非常に多いため、継続的な研修と知識更新が必須。