航空無線通信士（こうくうむせんつうしんし）

公務員・安全を守る仕事

航空無線通信士（こうくうむせんつうしんし）とは？
航空無線通信士の試験概要
航空無線通信士の勉強方法Q&A
航空無線通信士を取るために必要なこと
航空無線通信士が必要な職業／あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
2. あると有利な職業
公式情報／出典

航空無線通信士（こうくうむせんつうしんし）とは？

航空無線通信士は、航空機や航空局で行われる航空無線通信に従事するために必要な国家資格です。航空法・電波法に基づき、航空機の安全運航を支える通信の専門家として位置づけられています。国際VHF通信、航空管制との交信、気象通報、飛行情報のやり取りなど、航空安全に直結する重要業務を担います。

航空無線通信士は、航空管制官やパイロットと円滑に情報をやり取りすることで、航空機の安全運航を裏から支える重要な専門職です。国際便の増加や航空交通の複雑化に伴い、今後さらに需要が高まることが予想される資格です。

航空無線通信士の試験概要

実施団体	総務省（試験は公益財団法人日本無線協会が実施）。無線通信士の中でも航空分野に特化した国家資格で、航空機と地上局の無線通信を担当するための免許。
受験資格	制限なし（年齢・学歴・職歴不問で誰でも受験可能）。ただし、航空英語や無線工学の基礎知識が求められるため、航空・通信関連の経験者や学生の受験が多い。
試験日程	年1回（例年8〜9月頃に全国主要都市で実施）。申請期間や会場は日本無線協会の公式サイトで公表される。
試験方式	筆記試験＋英語試験（航空英語通信）。筆記では法規・無線理論・通信技術などを問われ、英語試験ではヒアリングと筆記の両方で航空通信能力を評価。
試験科目	無線工学／法規（電波法・航空法関連）／電気通信術／英語（ヒアリング・筆記）。特に航空英語のリスニング力・翻訳力が合否を左右する。
合格率	約20％前後（令和5年度実績）。国家試験の中でも難易度が高く、通信法規・英語の双方をバランスよく学ぶ必要がある。出典：日本無線協会「航空無線通信士試験結果（令和5年度）」。
資格取得までの流れ	参考書や過去問題集で独学／または通信講座・専門学校で学習 → 年1回の国家試験に出願 → 筆記・英語試験に合格 → 総務省に免許申請 → 航空無線通信士免許証の交付。
活動範囲	航空会社・空港通信部門・航空管制施設・防衛関連機関などで、航空機と地上間の通信業務を担当。国際線では航空英語での交信能力が特に重視される。
免許更新	更新手続きなし（終身有効）。ただし、航空通信業務に従事する場合は定期的な技術・語学研修を受けることが推奨される。
留意点	航空無線通信士は「航空通信士」と混同されやすいが、前者は国家資格であり、航空会社・管制機関などでの実務に直結する。国際民間航空機関（ICAO）の基準に準じた高度な通信知識と英語力が必須。

航空無線通信士の勉強方法Q&A

Q1. 航空無線通信士は英語ができないと受からない？: 正直、英語は避けて通れない。
とはいえ、専門的な英文ではなく「航空英語の決まり文句」が中心。
パターンを覚えれば文系でも対応できる。
Q2. 勉強時間の目安は？: 個人差はあるが、目安は以下：
・英語が得意：100〜150時間
・英語が苦手：180〜250時間
無線工学よりも英語対策に時間を割くのが王道。
Q3. 無線工学の難易度は？: 数式はそこまで多くない。
「回路」「アンテナ」「電波伝搬」の基礎を押さえれば十分。
過去問がそのまま出やすい分野でもある。
Q4. 最短合格したい人が優先すべき勉強は？: ・航空英語の“決まりフレーズ暗記”
・リスニングの反復
・過去問の英語セクションを軸に解く
この3つで合格ラインにかなり近づく。
Q5. 法規は覚える量が多い？: 思うほど多くない。
電波法の条文を丸暗記する必要はなく、ポイントだけ押さえておけばOK。
過去問の選択肢を見ながら“頻出パターン”を覚えるのが効率最強。
Q6. どんな職場で活かせる資格？: ・航空会社（無線通信関連）
・空港の通信部門
・航空機整備・運航支援
・防災航空隊
など、安全運航に関わる幅広い現場で評価される。
Q7. 航空無線通信士と航空通信士（航空通信士）との違いは？: 航空無線通信士は「無線と英語」の両方が不可欠。
航空通信士は、より無線操作寄りの資格で、求められる英語レベルは比較的穏やか。
志望職種によって使い分けるのが基本。