建てる・つくる仕事
空気環境測定実施者(くうきかんきょうそくていじっししゃ)とは?
空気環境測定実施者は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」に基づく法定資格で、特定建築物における空気環境測定を実施するために必要です。 国家試験ではなく、厚生労働大臣が登録した講習機関で講習を修了することで認定されます。 室内の二酸化炭素濃度や温度、湿度、浮遊粉じん量などを測定し、建築物の快適で衛生的な環境を守る役割を担います。
空気環境測定実施者が行う測定は、単なるデータ収集ではなく、建物を利用する人々の健康を守るための基盤です。特にオフィスや学校、病院といった人が長時間滞在する施設では、空気環境の悪化が頭痛や集中力低下、アレルギー症状などにつながることもあります。測定結果をもとに改善措置を講じることで、安全で快適な室内環境を維持し、利用者が安心して過ごせる空間を支えているのです。
空気環境測定実施者の試験概要
| 根拠法令 |
建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)に基づく「建築物環境衛生技術者制度」の一部。 特定建築物で義務付けられている空気環境測定の実務を行うための資格。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 厚生労働省。講習は登録講習機関(自治体・公益法人など)が実施。 |
| 受講資格 | 特になし。誰でも受講可能。 |
| 講習内容 |
・ビル管法の基礎 ・空気環境(CO₂・CO・温度・湿度・気流・浮遊粉じん)に関する知識 ・測定機器の取り扱い ・測定方法・頻度のルール ・記録・報告方法(6ヶ月に1回の測定義務) ・安全衛生 講習の最後に修了考査(筆記)あり。 |
| 実技試験 | 独立した実技試験はなし。講習内で測定器の扱いを実演・確認。 |
| 合格基準 | 講習全課程の受講+修了考査の合格。 |
| 実施時期 | 登録講習機関が年数回〜不定期で実施。地域差あり。 |
| 備考 | 建築物環境衛生管理技術者(ビル管)の補助的資格として扱われることが多い。 |
空気環境測定実施者 講習Q&A
- Q1. この資格はどんな現場で必要?
-
オフィスビル、商業施設、病院、学校など「特定建築物」。
6ヶ月ごとの空気環境測定を実施する際に必要。 - Q2. 実務経験なしでも受講できる?
- 問題なし。誰でも受講可能な入門資格。
- Q3. 受講期間は?
- 多くは2日間。講義+修了考査で完結する。
- Q4. 測定はどんな機器を使う?
- CO₂濃度計、温湿度計、粉じん計、気流計など。講習で扱い方を学ぶ。
- Q5. 更新は必要?
- 更新制度なし。資格は一度取得すれば有効。
- Q6. ビル管との違いは?
-
ビル管=特定建築物全体の衛生管理責任者。
空気環境測定実施者=空気環境の測定担当者。範囲と責任が違う。 - Q7. 収入アップにつながる?
-
単独で大きく上がるケースは少ないが、
清掃管理・建物管理会社では「プラス評価」になりやすい。
空気環境測定実施者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 特定建築物における空気環境測定を行う技術者
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「建築物衛生法」関連資料
- 登録講習機関「空気環境測定実施者講習」案内
難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※試験はなく講習受講のみ。ただし測定機器の理解やデータ管理が求められます。


