マンション管理士(まんしょんかんりし)

法律とルール
法律とルールを守る仕事

マンション管理士とは?

マンション管理士は、マンションの管理組合や区分所有者の立場に立って、建物の管理・運営・修繕・トラブル解決について専門的なアドバイスを行う国家資格です。簡単に言うと、「住民側の相談役・顧問」のような役割を担います。

マンションでは、管理費・修繕積立金の使い方、大規模修繕のタイミング、騒音やペットなどの生活トラブルなど、さまざまな問題が起こりやすくなります。マンション管理士は、区分所有法やマンション標準管理規約、民法、建築・設備の知識を使いながら、合理的で公平な解決策を提示していきます。

また、長期修繕計画の見直しや建替えの検討など、マンションの資産価値に関わる重要な場面でも活躍します。管理会社と管理組合の間に立って調整役を務めることも多く、「専門知識+コミュニケーション能力」が強く求められる資格です。

不動産会社・管理会社でのキャリアアップはもちろん、将来的に独立してマンション管理コンサルタントとして活動したり、他の士業(宅建士・行政書士など)と組み合わせてサービスの幅を広げることもできます。マンションが増え続ける社会のなかで、今後もニーズが高い資格と言えます。

マンション管理士の試験概要

根拠法令 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(マンション管理適正化法)
および関連政省令に基づく国家資格。
区分所有建物における管理組合運営の適正化・建物保全を図るために設けられた制度。
所管官庁 国土交通省(住宅局)
試験実施:公益財団法人マンション管理センター
種類 マンション管理士(単一区分)
※管理組合への助言・指導を専門的に行うコンサルタント資格。
受験資格 年齢・学歴・実務経験の制限なし(誰でも受験可能)。
※ただし法令・会計・建築設備など幅広い知識が必要なため、独学では難易度が高い。
試験内容 【筆記試験(四肢択一式 50問)】
・区分所有法(専有/共有・管理者・規約など)
・マンション標準管理規約(使用細則・役員・総会運営)
・民法(契約・不法行為・相続など)
・建築設備(給排水・防火・換気などの基礎)
・維持保全(修繕計画・長期修繕積立金など)
・管理実務(管理委託契約・会計・監査など)
問題量が多く、総合的な判断力と条文理解が求められる。
難易度 合格率:7〜9%(毎年ほぼ一定)
法律系国家資格の中でも難関に分類される。
特に区分所有法・管理規約の深い理解が合否を左右する。
資格取得までの流れ (1)受験申込 → 筆記試験(年1回)
(2)合格発表 → 合格登録(管理センターへ申請)
(3)マンション管理士として活動開始(顧問契約・コンサル等)
更新 資格の更新制度なし。
ただし、国の制度改正(管理計画認定制度・大規模修繕ガイドライン更新等)に対応するため、 自主的な研修参加(CPD)が推奨されている。

マンション管理士に関するQ&A

Q1. 管理業務主任者との違いは?

A. 管理業務主任者は管理会社側の責任者。マンション管理士は管理組合や住民側の専門アドバイザーです。

Q2. 未経験から独立できますか?

A. 可能だが、実務経験がないと相談対応が難しいため、管理会社・不動産会社で経験を積むのが一般的です。

Q3. 副業として活動している人もいますか?

A. はい。顧問契約・オンライン相談など、副業向けのニーズも高い資格です。

マンション管理士が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • マンション管理センター 試験案内
  • 国土交通省 住宅局資料
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