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鉛作業主任者(なまりさぎょうしゅにんしゃ)とは?
鉛作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、鉛や鉛化合物を取り扱う作業現場で、安全管理と健康障害防止を行う責任者に必要な資格です。 鉛は蓄電池、はんだ、塗料、リサイクル製品など幅広い分野で使用されていますが、吸入や摂取による慢性中毒の危険があるため、鉛を扱う作業場では主任者の選任が義務付けられています。
主任者は、作業環境の換気・排気設備の点検、作業員の防護具(マスク・手袋など)の着用指導、鉛粉じんや蒸気の飛散防止措置、健康診断の実施管理、作業手順の確認、安全教育の実施など、労働者の健康を守るための総合的な管理を行います。 また、溶解・鋳造・研磨などの工程では高温下での鉛蒸気発生リスクがあるため、主任者は現場の温度・風向・設備稼働状況まで把握する必要があります。
この資格を持つことで、製造業や金属リサイクル業、電池工場などで安全衛生責任者として働くことができ、企業の労働安全衛生体制を支える存在になります。実務中心の現場資格でありながら、健康管理や法令遵守に関する知識も評価される国家資格です。
鉛作業主任者の試験概要
| 根拠法令 |
労働安全衛生法に基づく国家資格です。 鉛(はんだ、鉛粉じん、鉛化合物など)を扱う作業では、 中毒や健康被害のリスクが高いため、作業主任者の選任が義務付けられています。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 厚生労働省(講習実施は都道府県労働局認定の教育機関)。 |
| 受講資格 |
受講に実務経験は不要。 誰でも講習を受講し、修了試験に合格すれば取得できます。 |
| 試験内容 |
・鉛の性質・化学的特徴 ・鉛中毒の症状と健康管理 ・作業環境測定・換気・局排設備の基準 ・鉛ばく露防止の保護具(防じんマスク等) ・鉛製品の溶融・研磨・溶接時の注意点 ・法令(安衛法・安衛則・特化則) |
| 試験形式 |
学科講習+修了試験(択一式)。 難易度は高くなく、講習内容の理解で十分合格できます。 |
| 特徴 |
電子部品、塗装、金属加工、バッテリー工場など、
鉛を扱う幅広い現場で役立つ資格です。 特に粉じん・蒸気が発生する工程で必須となる場面が多い資格です。 |
鉛作業主任者 Q&A
- Q. 鉛作業主任者はどんな仕事?
-
鉛を扱う現場の安全管理を行い、作業者の健康被害を防止する役割です。
鉛ばく露の測定、換気設備の確認、作業手順の指導などを行います。 - Q. 修了試験は難しい?
-
難易度はやや低めで、講習内容を理解していれば十分合格できます。
法令・健康管理が中心です。 - Q. 鉛ばく露はどんな作業で起こりやすい?
-
・溶融作業(はんだ付け・溶解)
・研磨・切削
・鉛含有塗料の除去
・バッテリーの製造・解体
などで特に発生しやすいです。 - Q. どんな業界で必要なの?
- 電子部品製造、金属加工、塗装工場、蓄電池工場、印刷関連など、 鉛を使用または発生する現場で必須です。
- Q. 一緒に取得しておくと便利な資格は?
-
特定化学物質作業主任者、有機溶剤作業主任者、粉じん作業特別教育などが相性良し。
実務で安全管理の幅が広がります。
鉛作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「鉛中毒予防規則」関連資料
- 中央労働災害防止協会(講習情報)
難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※講習修了で取得できるため難易度は低いが、現場では高い責任を負う。


