鉛作業主任者(なまりさぎょうしゅにんしゃ)とは?
鉛作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、鉛や鉛化合物を取り扱う作業現場で、安全管理と健康障害防止を行う責任者に必要な資格です。 鉛は蓄電池、はんだ、塗料、リサイクル製品など幅広い分野で使用されていますが、吸入や摂取による慢性中毒の危険があるため、鉛を扱う作業場では主任者の選任が義務付けられています。
主任者は、作業環境の換気・排気設備の点検、作業員の防護具(マスク・手袋など)の着用指導、鉛粉じんや蒸気の飛散防止措置、健康診断の実施管理、作業手順の確認、安全教育の実施など、労働者の健康を守るための総合的な管理を行います。 また、溶解・鋳造・研磨などの工程では高温下での鉛蒸気発生リスクがあるため、主任者は現場の温度・風向・設備稼働状況まで把握する必要があります。
この資格を持つことで、製造業や金属リサイクル業、電池工場などで安全衛生責任者として働くことができ、企業の労働安全衛生体制を支える存在になります。実務中心の現場資格でありながら、健康管理や法令遵守に関する知識も評価される国家資格です。
- 資格の種類: 国家資格
- 分野カテゴリ: 科学・研究
- 対象者: 鉛や鉛化合物を扱う製造・加工・リサイクル現場で働く人
受験概要
所管 | 厚生労働省(試験実施:中央労働災害防止協会/労働局) |
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受験資格 | 学歴・年齢不問で誰でも受講可能。 |
試験内容 | 学科講習(鉛の性質・健康影響・換気設備・防護具・関係法令など)+ 修了考査 |
合格率 | 約85〜95%(修了考査形式) 出典:中央労働災害防止協会(令和5年度) |
鉛作業主任者を取るために必要なこと
- 講習受講: 厚生労働省が認定する機関(中災防など)の講習を受講する。
- 修了考査: 講習後の筆記試験に合格することで資格取得。
- 主任者選任: 事業所で主任者として選任され、鉛作業の安全と健康を管理する。
鉛作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「鉛中毒予防規則」関連資料
- 中央労働災害防止協会(講習情報)
難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※講習修了で取得できるため難易度は低いが、現場では高い責任を負う。