環境とエネルギーの仕事
核燃料取扱主任者(かくねんりょうとりあつかいしゅにんしゃ)とは?
核燃料取扱主任者は、「原子炉等規制法(原子炉等の規制に関する法律)」に基づく国家資格で、核燃料物質(ウラン・プルトニウムなど)を安全に取り扱うための保安監督を行う専門資格です。
原子力発電所や研究用原子炉、核燃料加工施設などにおいて、放射線防護や燃料物質の保管・使用を安全に管理する役割を担います。
核燃料は、微量の取り扱いミスでも重大な事故につながる危険性があるため、主任者は放射線の遮蔽・減衰、臨界防止、保安規程の遵守など、極めて高い専門性と倫理観を求められます。
この資格は「原子力関連の安全管理職」として法令により必置とされており、エネルギーインフラの中でも最も責任の重い技術職の一つです。
また、原子力施設に限らず、放射性同位元素を扱う研究所・医療機関・企業の放射線部門などでも、その知識が応用できるため、放射線分野でのキャリアアップにもつながります。
核燃料取扱主任者を取るために必要なこと
| 実施団体 | 原子力規制委員会(NRA) |
|---|---|
| 受験資格 | 制限なし(学歴・実務経験不問) |
| 試験日程 | 年1回(8月頃) |
| 試験方式 | 筆記試験 |
| 試験科目 | 原子力工学、放射線計測、核燃料の取扱・保管、法令、安全管理、臨界防止など |
| 合格基準 | 総合得点の60%以上 |
| 受験料 | 17,000円 |
| 合格率 | 約10〜15%(令和5年度:受験者約350人/合格者約40人) |
核燃料取扱主任者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 原子力発電技術者(核燃料物質を扱う原子力施設の運転・保安担当)
2. あると有利な職業
- 放射線技師(放射線の安全管理・線量測定業務での応用が可能)
公式情報/出典
- 根拠法令:原子炉等の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)
- 所管:原子力規制委員会(NRA)
- 出典:原子力規制委員会「主任者試験制度概要」


