大型特殊免許(おおがたとくしゅめんきょ)

運ぶ・支える
運ぶ・支える仕事

大型特殊免許とは?(第一種・第二種)

大型特殊免許(大特)は、“特殊な構造を持つ大型車両を公道で運転するため”に必要な国家資格です。 ブルドーザー、ロードローラー、除雪車、ホイールローダー、大型フォークリフト(※運搬用)など、 建設・土木・農業・インフラの現場で使用される特殊車両の多くが対象になります。

第一種(大特一種)は「物品の運搬を目的とした運転」に必要な免許で、 工事現場・公道移動・資材運搬などで広く利用されます。 一方で、第二種(大特二種)は「旅客を乗せて運行する場合」に必要で、 除雪作業車・業務用作業車など一部の業務形態で必要となる上位免許です。

大型特殊免許は、一般的なトラックとは操作感が大きく異なり、 車体サイズが大きい・死角が多い・後輪中心旋回・重心が高いといった特性から 高度な運転技術と操作精度が求められます。 とくに建設現場では「作業」は別資格(技能講習)が必要になるため、 “大特=公道を走るための資格” である点が重要です。

現場では大特+車両系建設機械(整地・運搬・解体など)をセットで取得することが多く、 重機オペレーターの入口として必ず検討すべき免許と言えます。


大型特殊免許を取るために必要なこと

区分第一種(大特一種):特殊車両を公道で運転可能(貨物用途)
第二種(大特二種):旅客を運ぶ特殊車両の運転に必要(まれに業務用で要求)
受験資格18歳以上(第二種は21歳以上+普通免許3年以上が一般的)
深視力検査:第二種は必須
試験内容◆ 学科試験(第二種のみ)
・交通法規・安全規定・旅客輸送の基本知識 など

◆ 技能試験(または教習所卒検)
・方向転換 ・隘路(あいろ)通過 ・障害物回避 ・大型特殊車両特有のハンドル遅れ、死角確認 ・安全確認の正確さ
試験方式・学科:マークシート(第二種のみ)
・技能:免許センターの実車試験 or 教習所卒業で免除
合格率大特一種:60〜80%(比較的取りやすい)
大特二種:20〜40%(難関)
取得までの流れ入校 → 技能教習 → 卒検 → 本試験(第二種は学科) → 免許交付
費用の目安大特一種:10〜18万円
大特二種:20〜30万円
注意点大特はあくまで“公道運転免許”であり、作業はできない
 例:整地・解体・掘削は「車両系建設機械」の技能講習が必要

・除雪車などの自治体採用では第二種が求められる場合もあり
・大型特殊+フォークリフト+車両系建設機械 のセット取得が現場では一般的

大型特殊免許のQ&A

Q. 大特を持っていれば重機作業ができる?

A. できません。大特は公道を走る免許であり、作業には技能講習が別途必要です。

Q. 建設業に入るなら大特は必須?

A. 公道を走る場面がある現場ではほぼ必須。重機移動などで重宝されます。

Q. 大特二種はどんなときに必要?

A. 旅客を乗せる特殊車両(自治体の除雪作業車など)で求められることがあります。

Q. 大型免許とどちらが先?

A. 用途が違います。大型車を運転したいなら大型免許、大型重機を動かしたいなら大特です。


大型特殊免許が必要な職業 / あると有利な職業

◆ 必ず必要な職業

  • 除雪車運転手(自治体業務)
  • ロードローラー運転手(公道走行時)
  • ホイールローダー運転手(公道移動時)

◆ あると有利な職業


出典

  • 警察庁「運転免許制度」
  • 各都道府県警察「大型特殊免許試験案内」
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