ファッション・美容の仕事
理容師(りようし)とは?
理容師は、「理容師法」に基づく国家資格で、カットやシェービング(顔そり)、パーマ、カラーリングなどを行う専門職です。 理容所で働くには必ず必要な資格であり、古くから国民の生活に密着した技術職としての役割を担っています。 現在では従来の男性向けサービスに加え、女性の理容需要や美容的要素を取り入れた施術も広がっています。
さらに理容師は、技術面だけでなく接客スキルや衛生管理の知識も重視されます。清潔感のある環境づくりや、お客様一人ひとりの髪質や肌の状態に合わせた丁寧な施術は、安心してサービスを受けてもらうために欠かせません。また、最近では高齢化社会に対応し、訪問理容や介護施設でのカットサービスなど、従来の理容室以外の場でも活躍の幅が広がっています。理容師法に基づく厳しい衛生管理や技術基準をクリアしているため、安心と信頼を提供できるのも強みです。
将来的には、国家資格を活かして独立開業を目指す人も多く、地域に根ざしたサービスを展開することができます。男性客を中心とした伝統的な理容文化を守りつつ、女性や子ども、シニア層へのサービスも充実させることで、時代のニーズに柔軟に対応しているのが現代の理容師です。このように理容師は、生活に直結する「身だしなみ」を支える専門職として、今後も社会に求められ続ける資格といえるでしょう。
理容師の試験概要
| 根拠法令 |
理容師法に基づく国家資格。 生活衛生の向上と公衆衛生の保持に資する理容サービスの専門職として、技術と知識を国が認定する制度。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
厚生労働省。 国家試験の実施は「公益財団法人 理容師美容師試験研修センター」が担当。 |
| 受験資格 |
文部科学大臣・厚生労働大臣指定の理容師養成施設(専門学校等)で所定課程を修了した者。 働きながら学べる通信課程・夜間課程もあり(いずれも修了が必須)。 |
| 試験内容 |
学科(筆記):関係法規・制度、衛生管理、公衆衛生、感染対策、理容技術理論、香粧品(理美容用具・化学) など。 実技:刈り込み/整髪(カッティング・シェービングの基礎操作等)、衛生的手技・用具取扱いの確認 など。 |
| 合格基準 |
学科は総得点のおおむね60%以上が目安。 実技は基準に従い総合評価で判定(いずれも学科・実技の双方合格が必要)。 |
| 試験日程 |
年2回程度(例年3月・9月頃)。 願書受付は各実施回の概ね2~3か月前。 |
| 実務に関する注意 |
免許取得後、都道府県知事の免許登録が必要。 店舗での衛生管理(消毒・器具管理・感染症対策)や標識掲示など、法令遵守が求められる。 |
理容師国家試験Q&A
- Q1. 合格率はどれくらい?
-
年度・回次で変動しますが、学科・実技を合わせた全体合格率は概ね50~70%のレンジで推移します。
養成校のカリキュラムに沿って基礎を固めることが近道です。 - Q2. 実技試験では何を見られる?
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基本操作(刈り込み・整髪・シェービング操作の基礎)と、衛生・消毒や用具管理の適正さが評価対象です。
手順の正確さ・道具の扱い・衛生配慮(クロス、タオル、刃物管理)を丁寧に。 - Q3. 美容師との違いは?
-
いずれも国家資格ですが、理容師は刈り込み・整髪・顔そり(シェービング)を含む身だしなみの維持を主眼にし、美容師はパーマ・カラー・セット等の装い・演出が中心です。
カリキュラムや実務範囲が一部異なります。 - Q4. 働きながら取得できる?
-
可能です。通信課程や夜間課程を設ける養成校があり、実習はスクーリングで補います。
ただし実技の習熟には練習時間の確保が必須です。 - Q5. 就職先は?
-
理容室(バーバー)、ヘアサロン内のバーバー部門、ブライダルや出張理容、病院・介護施設等での訪問理美容、企業内理容室 など。
将来的に独立開業を目指す人も多く、店舗運営や衛生・会計の知識も役立ちます。
理容師が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「理容師国家試験」
- 厚生労働省「理容師国家試験結果(令和5年度)」
難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※合格率は高いが、2年以上の養成課程が必要で実技も含まれるため。


