医療とケアの仕事
労働衛生コンサルタント(ろうどうえいせいこんさるたんと)とは?
労働衛生コンサルタントは、労働安全衛生法に基づく国家資格で、職場の健康管理や作業環境の改善について、専門的な助言・指導を行う専門家です。 厚生労働省が所管し、試験は労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)が実施しています。 労働者の健康障害防止やストレス対策、化学物質管理など、職場衛生の総合的なマネジメントを担います。
産業医や保健師、衛生管理者と連携しながら、職場の環境測定やリスク評価、健康管理体制の整備を行います。 「メンタルヘルス」「化学物質曝露」「換気・温湿度・騒音・照度」など、多様な分野に精通しており、科学的な視点から労働環境を分析します。 安全コンサルタントが“事故を防ぐ”専門家なら、衛生コンサルタントは“病気を防ぐ”専門家といえます。
資格区分は「保健衛生」と「労働衛生工学」の2分野に分かれており、医師・保健師・技術者など異なる背景の人が受験します。 特に医療従事者が産業保健の分野でスキルを広げる際に選ばれることが多く、合格率は約10〜15%と難関です。 企業の産業保健体制を指導する立場として、高い専門性と責任が求められます。
労働衛生コンサルタントの試験概要
| 根拠法令 |
労働安全衛生法に基づく国家資格です。 作業環境管理・有害物質対策・健康障害防止など、労働衛生の専門家として助言を行います。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 厚生労働省(試験実施は安全衛生技術試験協会)。 |
| 受験資格 |
医師、保健師、又は一定の実務経験を積んだ技術者などが受験できます。 衛生工学・化学・作業環境・健康管理に関する専門知識が求められます。 |
| 試験内容 |
・一次試験(マーク式):衛生工学・作業環境測定・化学物質管理・法令 ・二次試験(記述):健康障害事例の分析・改善提案 ・口述試験:衛生管理判断、リスク対策の面接 |
| 特徴 |
労働衛生の最高峰資格の一つで、産業医や衛生管理者との連携にも強みがあります。 労働安全コンサルタントと合わせてのダブルライセンス取得も多いです。 |
労働衛生コンサルタント Q&A
- Q. どんな仕事をする資格?
-
化学物質、粉じん、有害ガス、騒音、ストレスなどによる健康障害を防ぐため、
職場環境を評価し、改善策を専門的に助言する資格です。 - Q. 難易度は高い?
-
合格率は10〜20%前後で、衛生工学の専門知識が必要なため難易度は高め。
医療系・理系出身者の受験が多いです。 - Q. どんな人に向いている?
-
化学や生物学が得意、環境改善や健康リスク評価に興味がある人に向いています。
企業の衛生管理部門や産業保健分野で働きたい人にも適しています。 - Q. 安全コンサルタントとの違いは?
-
衛生は「健康障害防止・化学物質管理」中心。
安全は「機械・設備・作業方法の安全」中心。
役割が補完的で、両方持つと現場改善の幅が広がります。 - Q. 企業での需要はある?
-
化学物質規制の強化により需要は増加傾向。
大企業の環境・安全衛生部門では特に評価が高い資格です。
労働衛生コンサルタントが必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 該当なし(コンサルタント業務を行う場合に必須)
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「労働衛生コンサルタント試験 実施要項」
- 労働安全衛生総合研究所(JNIOSH)公式サイト
難易度: ⭐️⭐️⭐️⭐️ (難易度4)
※産業保健・環境管理に関する最高峰の国家資格。医療従事者や技術者に人気。


