建てる・つくる仕事
採石業務管理者(さいせきぎょうむかんりしゃ)とは?
採石業務管理者は、「採石法」に基づく国家資格で、砕石や岩石採取などを行う採石事業場における安全・環境管理を統括する責任者です。採石事業は建設・道路工事・港湾整備などに不可欠な産業ですが、崩落や粉じんなどの危険を伴うため、一定の規模以上の採石場には必ず有資格者の配置が義務づけられています。
採石業務管理者は、採掘計画の立案、発破作業の安全監督、地盤の安定性確認、排水・粉じん対策などを担当します。また、周辺環境への影響を最小限に抑えるための監視・指導を行うなど、現場と行政の橋渡し役としても重要なポジションです。
特に近年は、環境に配慮した採掘(エコマイニング)や再生資材の利用促進が進む中で、採石業務管理者の役割は「現場の安全責任者」から「持続可能な資源利用を支える技術者」へと広がっています。
採石業務管理者の試験概要
| 根拠法令 |
採石法(昭和25年法律第291号)に基づく国家資格。 採石業を安全かつ適正に行うため、作業計画・安全管理・環境保全を統括する管理者として選任が義務づけられている。 |
|---|---|
| 所管官庁 |
経済産業省および都道府県。 試験・講習は各地方自治体または指定機関(例:都道府県鉱業協会など)が実施する。 |
| 受験資格 |
・18歳以上で採石業に関する実務経験を有する者。 ・採石業を行う事業所で管理的な立場にある者。 ・学歴による制限はなし(実務経験が重視される)。 |
| 試験・講習内容 |
・採石法および関係法令 ・地質・採掘技術・機械設備 ・災害防止と安全管理 ・環境保全と原状回復措置 ・作業計画の作成と報告義務 ※講習修了または試験合格で「採石業務管理者」として登録可能。 |
| 資格の特徴 |
採石場(砕石場など)における安全責任者として法的に選任が義務づけられる資格。 労働災害防止や環境対策など、現場の統括管理者として重要な役割を担う。 現場経験を活かしてキャリアアップを目指せる実務型資格。 |
採石業務管理者 Q&A
Q. 採石業務管理者とはどんな資格?
採石場での作業を安全かつ法令に基づいて管理する国家資格です。作業計画の立案、安全教育、環境保全まで幅広く担当します。
Q. 誰が取得する資格なの?
採石業を営む企業の現場責任者や安全管理者が主に取得します。採石場では必ず選任が義務づけられています。
Q. 試験の難易度は?
実務経験者を対象とした内容で、技術知識よりも法令・安全管理の理解が中心。講習修了でも資格取得が可能です。
Q. どんな現場で活かせる?
砕石場、砂利採取場、土木資材の採掘現場など。災害防止や設備点検、報告書作成など、安全と品質の両立を担います。
Q. 取得のメリットは?
採石業の現場責任者としてキャリアアップできるほか、法定資格として転職・独立時にも大きな強みになります。
採石業務管理者が必要な職業/あると有利な職業
1. 必ず必要な職業
- 土木作業員(採石現場)
2. あると有利な職業
公式情報/出典
- 根拠法令:採石法(昭和25年法律第291号)
- 所管:経済産業省(資源エネルギー庁)
- 試験実施機関:一般社団法人 全国採石業協会連合会
- 出典:経済産業省「採石業務管理者試験制度概要」/全国採石業協会連合会資料(令和6年度)


