酸素欠乏危険作業主任者(さんそけつぼうきけんさぎょうしゅにんしゃ)

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酸素欠乏危険作業主任者(さんそけつぼうきけんさぎょうしゅにんしゃ)とは?

酸素欠乏危険作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、酸素濃度が低下するおそれのある場所(タンク・下水道・ピット・トンネルなど)で作業を行う際に、安全を管理する責任者に必要な資格です。 酸素濃度が18%未満になると人体に悪影響が生じ、場合によっては死亡事故に至ることもあるため、現場では必ず主任者の選任が義務づけられています。

主任者は、作業開始前の酸素濃度測定、換気設備の確認、危険区域の立ち入り制限、作業者への保護具着用指導、緊急時の救助手順の整備などを統括します。 特にマンホールや貯水槽、地下ピット、トンネル工事現場などは、換気が不十分になりやすく、硫化水素の発生など二次的リスクも伴うため、主任者は法令や現場環境に基づいた慎重な判断が求められます。

また、この資格は「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」として統合講習が実施されることが多く、取得者は両方の危険作業に対応できるようになります。 インフラ整備・建設業・下水処理・清掃業など、幅広い分野で必要とされる実務的な資格であり、特に土木系・施設管理系の現場では必須レベルの国家資格です。

酸素欠乏危険作業主任者の試験概要

根拠法令 労働安全衛生法に基づく国家資格です。
タンク内・マンホール・地下ピットなどで発生する 「酸素欠乏」や「硫化水素中毒」の災害防止のため、主任者の選任が義務付けられています。
所管官庁 厚生労働省(講習実施は都道府県労働局が認定した教育機関)。
受講資格 特に実務経験などの要件はありません。
誰でも講習を受けることで取得できます。
試験内容 ・酸素欠乏・硫化水素の発生メカニズム
・空気測定(O₂・H₂S・可燃性ガス)
・換気・送気の方法と基準
・救助作業の要点(呼吸器・三脚・ロープ)
・作業主任者の職務内容
・災害防止と安衛法令
試験形式 学科講習+修了試験(マークシート)。
講義のポイントを押さえていれば十分合格可能です。
特徴 下水道・タンク清掃・マンホール作業・船倉作業など、幅広い現場で必須級の資格。
酸欠・硫化水素事故は死亡率が高いため、現場では最も重要な安全資格の一つです。

酸素欠乏危険作業主任者 Q&A

Q. どんな作業で主任者が必要になる?
マンホール、ピット、地下槽、タンク内部、下水道、トンネルなど、 酸欠や硫化水素の危険がある場所へ立ち入る作業で選任が必要です。
Q. 主任者は現場で何をするの?
・酸素濃度・硫化水素の事前測定
・換気・送気の管理
・作業手順の確認と指揮
・監視員の配置
・救助計画と緊急時対応
・作業者への教育
現場全体の安全を統括する役割です。
Q. 測定の基準値はどれくらい?
・酸素濃度:18%以上(作業許可の目安)
・硫化水素:10ppm以下
・可燃性ガス:爆発下限界の30%未満
これらを満たさない場合、作業は禁止されます。
Q. 講習と修了試験は難しい?
合格率は高めです。
測定器のゼロ調整・換気方法・救助手順・法令のポイントを押さえれば問題ありません。
Q. 現場で特に注意すべきことは?
・作業開始前だけでなく「作業中の継続測定」
・換気停止や作業者の単独行動を禁止
・救助時の二次災害(救助者の酸欠)を防ぐこと
・呼吸器・三脚などの装備を整えること
酸欠事故は一瞬で重篤化するため、常に監視が必須です。

酸素欠乏危険作業主任者が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 厚生労働省「酸素欠乏症等防止規則」関連資料
  • 中央労働災害防止協会(講習情報)

難易度: ⭐️⭐️ (難易度2)
※講習修了で取得できるが、責任は重大。現場経験者の受講が多い。

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