船内荷役作業主任者(せんないにやくさぎょうしゅにんしゃ)とは?
船内荷役作業主任者は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、船内における荷役作業(貨物の積み込み・積み下ろし)を行う際に、安全管理を担う責任者に必要な資格です。 船内での荷役作業は、クレーンやフォークリフトを使用して重量物を扱うため、荷崩れや落下、機械の接触事故など重大な労働災害につながる危険があります。そのため、船内荷役を行う現場では主任者の選任が義務付けられています。
主任者は、作業計画の立案、荷役機械や用具の点検、作業場所の安全確認、作業員への安全教育、荷の積み付け方法や吊り荷の確認、緊急時の避難誘導などを統括します。船内は閉鎖空間であり、視界の悪さや通気の問題から事故のリスクが高く、主任者の判断力と指揮が安全確保に直結します。
この資格を取得することで、港湾荷役業、海運業、造船業など船舶を扱う現場で安全責任者として働けます。物流や国際貿易に欠かせない港湾産業において、極めて重要な役割を担う資格です。
船内荷役作業主任者の試験概要
| 根拠法令 |
労働安全衛生法に基づく国家資格です。 船舶内で行われる荷役(積付け・荷下ろし・移動)作業の安全を確保するために選任されます。 |
|---|---|
| 所管官庁 | 厚生労働省(講習は労働局認定の安全衛生教育機関が実施)。 |
| 受講資格 |
受講に実務経験は不要です。 どなたでも講習を受けて修了試験に合格すれば取得できます。 |
| 試験内容 |
・船倉内の構造と危険ポイント ・荷の積付け・固縛方法(ラッシング) ・船舶特有の荷崩れリスクと対策 ・クレーン・ウインチとの連携 ・船舶の揺れ・傾斜による荷の偏り ・作業通路・足場確保の基準 ・換気・酸欠・有害ガス対策 ・関係法令(安衛法・港湾労働安全衛生規則) |
| 試験形式 |
学科講習+修了試験のみ。 実技試験はありません。 |
| 特徴 |
船内という閉鎖空間での荷役作業のため、事故リスクが高く、 主任者は「荷の固縛・通路確保・作業者配置」など安全管理を徹底します。 港湾荷役・造船所・輸出入物流の現場で幅広く求められます。 |
船内荷役作業主任者Q&A
Q1. どんな現場で必要になる資格ですか?
主に港湾・造船所・貿易港などの「船舶内」で行う荷役作業に必要です。
輸出入貨物や大型資材の積み下ろしで使われます。
Q2. 船内作業は何が危険なの?
・荷崩れ・転倒
・足場の不安定さ
・落下物
・視界不良の場所での接触事故
・酸欠や有害ガス
船舶特有の揺れもあり、他の荷役作業よりリスクが高いのが特徴です。
Q3. フォークリフト技能講習は必要ですか?
必須ではありませんが、現場ではセットで求められることが多いです。
荷の移動・積付けにフォークリフトを使うため、併せ持ちが強いです。
Q4. 修了試験は難しい?
講習内容を理解していれば問題ありません。
合格率はおおむね80%以上です。
Q5. どんな業界で役立つ資格?
・港湾物流(輸出入貨物)
・造船所
・大型貨物の運搬業者
・海上輸送企業
船を扱う物流の現場では必須レベルです。
船内荷役作業主任者が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
あると有利な職業
公式情報/出典
- 厚生労働省「労働安全衛生法」関連資料
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会
難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※港湾業界や物流現場で強く求められる資格。実務経験者に有利。


