潜水士(せんすいし)

公務員・安全
公務員・安全を守る仕事

潜水士(せんすいし)とは?

潜水士は、「労働安全衛生法」に基づく国家資格で、潜水作業を行う際に必ず必要とされる資格です。 潜水作業とは、水中に潜って行う点検、調査、工事、漁業活動、さらには消防や救助活動など多岐にわたります。これらの作業は水圧や低温、酸素不足といった特殊で危険な環境下で実施されるため、専門的な知識と技術が欠かせません。潜水士は水中での作業に必要な安全管理を担う存在として、労働安全衛生法に基づき法的に資格取得が義務付けられています。

潜水士の役割は単に潜ることにとどまらず、作業計画に沿って酸素ボンベや潜水服などの器材を正しく使用し、作業員やチームの安全を確保することにあります。例えば、港湾や橋梁の基礎工事、海洋調査、ダムや水道施設の点検、さらには海難救助や水難事故対応に至るまで、潜水士は幅広い分野で必要とされます。現場では水中作業の危険を予測し、減圧症のリスク管理や緊急時の対応を行うことも重要な任務です。

また潜水士は「クレーン運転士」「ボイラー技士」などと並び、安全を重視する労働安全衛生法における代表的な技能資格のひとつです。資格取得後も現場経験を重ねながら技術を磨き、定期的な安全教育を受け続けることが推奨されます。水中作業の専門家として社会インフラや産業を支える潜水士は、他に代替できない重要な職業であるといえます。

潜水士の試験概要

根拠法令 労働安全衛生法に基づく国家資格です。
潜水作業に伴う減圧症・溺水事故などを防ぐため、潜水作業に従事する場合は必須とされています。
所管官庁 厚生労働省(試験実施:安全衛生技術試験協会)。
受験資格 年齢・学歴・実務経験の制限なし。
誰でも受験できる国家資格です。
試験内容 ・潜水の物理(圧力・浮力・気体の性質など)
・潜水生理(減圧症、酸素中毒、窒素酔いなど)
・潜水機材の構造(レギュレーター、タンク、潜水装置)
・潜水方法(スクーバ、送気式、潜水計画の立て方)
・潜水作業のリスク管理、緊急時対応
・労働安全衛生法および関係法令
試験形式 学科試験(マークシート式)
「潜水業務に必要な理論・法令」の理解が重視される筆記試験です。
実技試験はありません。
特徴 国家資格で唯一「潜水作業」を行うために必要な資格。
ダイビングライセンス(Cカード)とは役割が全く異なり、「仕事として潜水するための法的資格」です。

潜水士Q&A

Q1. Cカード(ダイビングライセンス)と何が違う?

Cカードは「レジャーダイビングの技能証明」。
潜水士は「潜水作業のための国家資格」。
仕事として潜水するなら、必ず潜水士が必要になります。

Q2. 実技がないのになぜ取れるの?

資格は“理論と安全管理”を証明するもの。
実技は企業・自治体が独自に訓練する前提のため、国家試験には含まれていません。

Q3. どんな現場で必要?

・港湾や橋梁の水中点検
・ダム、浄水場、河川工事
・船舶のメンテナンス
・水族館の飼育管理
・海洋調査・水中撮影
潜水作業が仕事に含まれる業務では必須です。

Q4. 体力は必要?

一般的な健康状態であれば問題ありません。
ただし、業務内容によっては水中での重作業が伴うため、現場では体力が求められます。

Q5. どれくらい勉強すれば合格できる?

多くの受験者は1〜2週間の学習で合格しています。
理系知識がなくても、テキストと過去問で対策可能です。

潜水士を取るために必要なこと

  1. 学習・準備: 潜水器材の取り扱い、水圧や減圧症に関する基礎知識を学ぶ。
  2. 試験受験: 全国7か所の安全衛生技術センターで行われる潜水士試験を受験。
  3. 合格・登録: 試験に合格すると潜水士として登録され、水中作業に従事できる。
  4. 実務経験: 資格取得後も現場で経験を積み、継続的に安全教育や研修を受ける。

潜水士が必要な職業/あると有利な職業

必ず必要な職業

あると有利な職業

公式情報/出典

  • 厚生労働省「労働安全衛生法」関連資料
  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会

難易度: ⭐️⭐️⭐️ (難易度3)
※学科試験のみだが専門的知識が多く、安全管理能力が求められる。

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