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水産業協同組合監査士(すいさんぎょうきょうどうくみあいかんさし)とは?
水産業協同組合監査士は、漁業協同組合法に基づく国家資格で、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)が試験を実施します。漁協の財務・事業運営・内部統制を監査し、漁業者の共同事業(販売・購買・資金・指導等)が法令や定款、会計基準に適合しているかを検証する役割です。水産業の収益構造は市場相場・資源状況・補助制度等に左右されやすく、監査士はこうした不確実性を踏まえて経営実態を読み解き、改善提案までつなぐことが求められます。
近年は資源管理やHACCP等の衛生管理、冷凍冷蔵・加工の設備投資、燃油高騰対策など、経営課題が複雑化。監査士は財務の健全性と業務の適法性をチェックしつつ、事業の持続性・内部統制の成熟度・リスクマネジメントの観点から助言を行います。漁業権・入札・市場取引など水産固有の制度理解が欠かせないため、一般の会計資格に比べて「業界知識×監査スキル」の組み合わせが強く求められます。
監査報告は組合員・行政・金融機関にとって重要な判断材料です。透明性を確保し、組織への信頼を高めることで、地域の水産バリューチェーン(漁獲・流通・加工・販売)の底上げに寄与します。現場主義で一次情報を確かめる姿勢、事業部門との建設的な対話力が評価される職域です。
水産業協同組合監査士になるために必要なこと
JF全漁連の認定試験に合格することが要件です。出題は漁業協同組合法・水産行政・会計・監査・内部統制・事業知識。合格率は30〜40%前後で、漁協職員や会計・監査経験者が主な受験層。合格後は登録・研修を経て監査実務に従事し、最新基準や制度改正に合わせて継続学習が求められます。
(出典:漁業協同組合法/全国漁業協同組合連合会)
水産業協同組合監査士が必要な職業/あると有利な職業
必ず必要な職業
- 水産業協同組合職員(監査部門・内部監査)
あると有利な職業
- 経理スタッフ(漁協・関連会社)
公式情報/出典
出典:漁業協同組合法/全国漁業協同組合連合会(JF全漁連) 公表資料
難易度:⭐️⭐️⭐️(難易度3)